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中公文庫
文明の生態史観 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122030374
  • NDC分類 204
  • Cコード C1130

内容説明

世界史に革命的な新視点を導入した比較文明論の名著。

目次

東と西のあいだ
東の文化・西の文化
文明の生態史観
新文明世界地図―比較文明論へのさぐり
生態史観から見た日本
東南アジアの旅から―文明の生態史観・つづき
アラブ民族の命運
東南アジアのインド
「中洋」の国ぐに
タイからネパールまで―学問・芸術・宗教
比較宗教論への方法論的おぼえがき

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

185
第一地域、日本や西ヨーロッパ、第二地域はそれ以外のユーラシア。歴史の流れを説明するには東洋と西洋という分類よりも分かりやすいという。第二地域は文明の発祥地であり、西暦1500年程度まで最先端だった。その後の近代化には遅れてしまう。遊牧民の攻撃に絶えず晒され、中央集権の考えが強く、大帝国は短命に終わって破壊されては再建した。第一地域は森に囲まれ農耕には適さなかったが、遊牧民との争いが少なく、封建制が発展し中央集権の考えが弱かった。この差が近代化に大きな差異をもたらした。2021/09/30

Gotoran

61
1956年~1965年に発表された論文及び講演録、11編を収録、全編に亘って著者独自の生態学的視点での文明論が展開される。従来の文明の先進国/後進国という括りでヨーロッパを頂点に直線的に発展していく進化史観に対して生態学的な発想から文明は平行進化するという生態史観が提示される。東洋と西洋だけでは割り切れない、インドから中東イスラム諸国にかけての広大な地域を「中洋」と位置付け、各文明の発展を生態学的に考察していく。短編集のような構成で読み易かった。アジアの面白い風習や文化等の記述も興味深かった。2016/01/23

翔亀

51
1957年初出。今読んでも意外な新鮮さに驚く。118p迄は"海外旅行"(インド周辺)の面白印象記の気配で、今もあまり変わっていないな、当時は新鮮だったのかな、でも床屋談義みたいだムフムフと読み飛ばしていたら、急に「生態学の遷移」が登場し一気に世界史が理論化される。遷移とは、草原がシラカンバの途中相林を経てシイ・カシの照葉樹林になるとか、ブナの落葉樹林になるとかというアレである。文明史を歴史学の一切の蓄積(マルクス主義史観とか近代化論とか)を外して、植生を語るかのように語る。でもそこに違和感がないのが凄い。2015/10/10

James Hayashi

43
著者が1955年にアフガニスタン、パキスタンとインドを旅行した後書かれた論述。 東アジアという括りに日本と朝鮮を一緒に語られると違和感を持つ人がほとんどであろう。また、日本と西欧をまとめ、その他の国々との区別は斬新さを超えている。当時東洋と西洋という枠組みでの説明を否定し、第一地域と第二地域という新しい概念で説明。かなり反応があり今でも評価されている様だが、地政学や時代的サクセションを考えると古さを禁じ得ない。東洋と西洋のあいだの中洋という区分けは、ボーダーレスの考えにつながり面白いと思う。2020/04/24

さきん

41
インドで、日本よりもより顕著な風俗、文化の地方ごとでの違い、また、イギリス人学者の文明論に非西欧社会に対する理解の浅さを感じた著者がユーラシア大陸に斜めの乾燥地帯で区切った、自然環境の違いから生じる文明形態の違いを説く。後に、家族形態の違いから切り込むエマニュエルトッドや社会の違いを気候や技術の伝播から説くジャレドダイヤモンドへ連なる話と感じた。2022/03/11

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