出版社内容情報
大陸文明と日本文明の結びつきを達成した空海は、哲学宗教文学教育、医療施薬から土木灌漑建築まで、八面六臂の活躍を続ける。その死の秘密もふくめて描く完結篇。五十年度芸術院恩賜賞受賞。
内容説明
大陸文明と日本文明の結びつきを達成した空海は、哲学宗教文学教育、医療施薬から土木潅漑建築まで、八面六臀の活躍を続ける。その死の秘密をもふくめて描く完結篇。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
99
正当な密教の正伝者となり、唐より帰国する空海。その後完成させていく密教の軸となるのは即身成仏という考えだということが理解できます。その身辺や思想から哲学宗教教育にかなり力を入れていたのでしょうね。その完璧さから、後の世に教えが広まっていったのだと思います。それは普遍へと導かれるべきものだったのかと。2018/01/24
金吾
97
○空海の一生を読み、才能の豊かさに驚愕しました。特に唐の文明を至短時間で吸収しそれを後世につなげる形っ日本の文化に融合させたことは正に偉人だと思いました。最澄との関係や橘逸勢、古今著聞集のエピソードは面白かったです。2022/09/28
kazuさん
95
空海は入唐して、5ヶ月間、梵語を学びつつ、恵果訪問の時期を待った。その後、1000人の弟子を差し置いて、恵果から後継者に抜擢され、密教を直接伝授された。大量の経典や仏具を携え、寧波を立ち帰国の途に着く。那の津に帰着し、太宰府で1年を過ごす。そこで、持ち帰った品々の目録を朝廷に送り、都で評判が上がるのを待った。更に、2年間を近畿の槙尾山で過ごし、入京の機会を窺った。この間、密教の理論構築を行う。漸く上京の官符が下り、京の高雄山寺に入った。この後、最澄と競いつつ、日本の仏教界において重要な地位を築いて行く。2023/12/17
レアル
74
唐から帰朝した空海、最澄との出会い、そして密教への思いが詰まった下巻。信じるに値する史料が増えたためか、上巻と比べても下巻の方が空海という人物がより鮮明に描かれている。そして高野山への思いとその実現。宗教については難しい部分が多く、理解し切れていない部分も多いが、空海という人物についてとても分かり易く描いてくれていたように思える。大河ドラマの「真田丸」の影響で九度山に訪れた際に「空海」という文字をふと目にして読み返したいと思ったこの小説。小説も読んだ事だし今度は九度山ではなく高野山を訪れたい。2016/09/29
ポチ
72
難しかった!仏教にあまり興味がない為辛かった。空海が歩いた長安への街道を歩いてみたい。2018/02/11