内容説明
美人画で名をはせた北斎の娘お栄(応為)、狩野派隆盛の立て役者元信の妻千代女、幕府奥絵師狩野宗家の跡目争いにまきこまれ、かどわかされ牢に閉じこめられた悲運の人屋左女、周囲の反対を押して探幽門人伊兵衛と市井に幸せを求めた清原雪信、祇園茶店の娘から池大雅の妻となった玉蘭など、埋れた女流画人の絵にかけた情熱の生涯を発掘する12篇。
目次
悲の枕―狩野屋左女
戊辰の月―池旭女史
夜の鶴―大橋女
軒端の竹―妙性尼
野狐―お栄
熊野の帖―絵式部・定子
祇園茶店の女―池玉蘭
夫婦の鼓―清原雪信
千代のさかえ―狩野千代女
寒椿―土岐願西尼
花篝―三上玉蓮女
あしたの雲―勾当内侍・妙子