内容説明
私たちのからだの20%を占めるタンパク質。皮膚の弾力を維持するコラーゲンや筋肉を伸び縮みさせるミオシン、血糖値を下げるインスリン、酸素を運ぶヘモグロビンなど、形や役目、存在する場所も様々だ。近年、プロテオミクス(タンパク質の生命科学)の発展によって、その種類や役割などが急速に明らかになりつつある。日本における第一人者が、最新の成果をわかりやすく解説し、病気治療への応用なども紹介する。
目次
第1部 タンパク質とはなにか(タンパク質とはどんなものか;からだの中のタンパク質の基本的なはたらき;タンパク質の存在量はどれほどか)
第2部 からだの中のタンパク質の種類とはたらき(タンパク質はいくつあるのか;からだの全タンパク質のマップを作る)
第3部 タンパク質で健康を守る(タンパク質で病気が予防できる;タンパク質で診断する;タンパク質の異常を治療する)
著者等紹介
平野久[ヒラノヒサシ]
1949年生まれ。1972年東京農工大学卒業。農林水産省農業生物資源研究所研究室長、横浜市立大学教授、同大学先端医科学研究センター長を経て、同大学学長補佐。日本育種学会賞、日本プロテオーム学会賞、日本電気泳動学会賞、科学技術長官賞などを受賞。日本プロテオーム学会会長、日本電気泳動学会会長、総合科学技術会議専門委員などを務める。農学博士。専攻・プロテオミクス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
22
言っていることがわからなすぎてすいすい読めた。これだったら5ページくらいに要約しても、情報として摂取できる量はそんなに変わらない気もする。でも、世界の研究者たちが人生を捧げた研究によって、これだけのことがわかるようになってきたことを、すごいだろ、とは言わないけど著者の熱意はものすごく伝わってきた。その成果の一つとして、タンパク質の変化を見ることで病気の早期発見、治療ができるようになる期待があるようだ。著者が言うような未来が来るかはわからない。けど、その途方もない夢を追いかける研究者の姿はかっこいいと思う。2017/10/27
fseigojp
21
ノーベル医学賞とった大隈先生のご推薦 RNAも酵素的に働くなど興味深い知見があった2017/02/12
赤い熊熊
9
目のレンズはクリスタリンってタンパク質で出来てるんだぁ。体の中でタンパク質が何をしているのかということを勉強するには良い本です。質量分析の話など、詳しくて難しいところは専門外の私たちは読み飛ばすのが吉。と、思います。2019/09/20
Hiroshi
6
体の中で、いつ、どこで、どれくらいのタンパク質がどのように働いているのか、その全体像をタンパク質の研究者ではない方々に理解できるように記述された本。前世紀末より始まったヒトゲノム解析が終わった。タンパク質は鎖状にペプチド結合したアミノ酸が立体的に組み立てられたもの。アミノ酸(20種類)の配列を指定しているのは、DNAの塩基配列(遺伝子)。ゲノム解析で判明した遺伝子の数は約2万であった。少なすぎる。9割以上の遺伝子が選択的スプライシングで複数のタンパク質等を生み出し、更に翻訳中や翻訳後に化学修飾されている。2022/02/18
たす
3
タンパク質の構造、役割、種類について書かれた本。 最終章の病気の予防の部分はまた再読して理解してみようと思う。 筋トレに役立つ目的で買ったが思ってたんと違った。 2017/08/04