出版社内容情報
「巨」はなぜ工部なのか?「卍」はなぜ十部の六画? 全ての漢字のもととなるパーツ=「部首」にまつわる楽しいエッセイ48話。
内容説明
漢字が誕生して三千年、漢字の字体はさまざまに変化していった。そのなかで、多くの部首が生まれ、消えていった。所属する部首を移動したり、部首が分からなくなってしまったものも多い。漢字を分解してみると、その合理性と矛盾がはじめて見えてくる。50の部首ごとにたどる楽しい漢字エッセイ。
著者等紹介
阿辻哲次[アツジテツジ]
1951年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。静岡大学助教授等を経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻・中国文化史
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
21
大修館書店が出していた支那学の専門誌『しにか』に掲載されていたエッセイを集成したもの。古書にして痕跡本なのだが53ページで書き込みが消えている。そこで力尽きた模様。さて、部首に関わる様々の事をエッセイにしているのだが、漢文学業界では、「エッセイを書くときは須く下に走るべし」と言う掟があるのではないかと、疑いたくなる。よく人名にある「也」の隠された意味とは…兎に角読んで下されい。ぬこ田はこの字を名前に使っているので、少なからずおちんこでた(漢文学の門外漢だが、ノルマ達成!ヨシ!)。2021/05/08
ゆり〜こ
14
図書館でなんとなく目に入って手に取りました。「へぇ、この部首、この漢字ってそんな起源があったのか!」と、読んでおけば日常にあふれる漢字がちょこっと楽しくなるような本です。各エピソードに対する、阿辻さんのちょっとしたコメントがじわじわと面白かったです。2017/10/15
4fdo4
12
漢字学の本なのだが、特別漢字に興味がなくとも面白く読める 「なぜ卍は画数6かのか?」「女へんはあるが男へんはなぜ無いか?」 「針の右はなぜ十か?」「米へんなのに、粟などにも米がつくのは?」など興味深い。 「けものへんが付く・付かない動物の漢字の違い?」なんて聞いたら明快。 世界で一番古い漢字辞典「説文解字」の、俗説・五行説的な解釈を指摘も面白い。 私も学生の時、説文解字は授業で取り上げられたがよく悩んだ。 その中でも「也」の解釈。ここでは書かないが、興味があれば一読あれ。 2020/12/31
アメヲトコ
11
漢字学者である著者が、漢字の50の部首を選んで各4ページでその意味合いと関連するエピソードを語る一冊。「也」が乙部だとか「卍」が十部だ(だから6画!)とかなかなか難しい。語り口は軽妙でいいですが、ちょっとおじさんっぽさもあり、もともと2001~03年の連載なのでBSEとか時事系ネタがいちいち懐かしい。2019/07/31
浦和みかん
5
もっと学術的な内容かと思ったら、部首とその漢字にまつわるエッセイだった。豆知識としても面白いし、内容もまとまっていてサクサク楽しく読める内容だった。2021/02/23