出版社内容情報
『史記』を著した司馬遷はその人生で7回以上中国大陸を旅行した。そのルートをすべて踏破し、史跡を訪ねる。
内容説明
司馬遷は、少なくとも七回にわたって中国大陸を広く旅行した。なかでも二十歳の第一回目の旅は、長江流域の史跡をたどり、曲阜で孔子の礼を学び、彼の人生に多大な影響を与えた。司馬遷はどこを訪れ、何を見聞したのか。そしてその経験は『史記』の叙述にどう活かされたのか。著者は、司馬遷の旅行ルートをみずから踏査し、その史跡を訪ねた。二千年の時をさかのぼり、私たちも司馬遷を追う旅に出よう。
目次
第1章 旅だちまで―陝西省
第2章 長江への旅―湖北、湖南省
第3章 江南と江淮の旅―江蘇、浙江省
第4章 山東の旅―山東、河南省
第5章 北辺の旅―河北、山西省、内蒙古
第6章 西南の旅―四川、雲南省
第7章 旅行と『史記』の叙述
余論 漢代の旅行事情
著者等紹介
藤田勝久[フジタカツヒサ]
1950年(昭和25年)、山口県に生まれる。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。現在、愛媛大学法文学部教授。博士(文学)。専攻、中国古代史
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感想・レビュー
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i-miya
31
2010.09.16 (史記史跡一覧)。陜西省、西安、咸陽。湖北省、武漢。湖南省、長沙。江西省。安徽省。江蘇省、南京、蘇州。浙江省、杭州、紹興。山東省、煙台、青島、済安。河南省、洛陽。河北省、北京。遼寧省。内蒙古。山西省、太原。甘粛省。四川省、成都。雲南省、昆明。広東省、広州。(藤田勝久)1950生まれ、山口出身。大阪市立大学博士課程。愛媛大学法文学部教授。(はじめに) 司馬遷のふるさと陜西省韓城市。史記を読む人々の聖地。南1おkmに司馬遷祠墓(しぼ)がある。2010/09/17
nori_y
5
『史記』から司馬遷が旅で得たエッセンスを掬おうとする本。そうか、次の旅では司馬遷の足取りを追うというのも有りだなぁ。読んでいる最中、ずっと気になっていた「司馬遷がもし日本まで来ていたら」という夢想に最後さらりと触れてくれているのは、やはりみんな考えることは同じなのかなと思えて頬が緩む(専門家の方々と比べるのも恐縮ですが)。ああ片想い。2020/01/15
おらひらお
4
2003年初版。有名な『史記』の編者の旅をトレースした本です。文章だけでなく、実際に現地に立ってみることの大切さを示しています。2012/09/24
沖縄電鉄社長
1
歴史家司馬遷のもう一つの顔・旅行者の痕跡を『史記』からたどるガイド。はからずも当時の中国の主要な地域をほとんど巡っていることになる。 彼の旅行記があれば、と想像してしまう。2017/09/17
燕京電視台
0
中国正史の第一『史記』を書いた司馬遷は生涯に最低でも7回は中国を旅行し、その見聞が史記に反映されていると言われています。本書はその旅行の行き先や、旅行が与えた影響などを分析しています。司馬遷が会稽山を実際に訪問して夏王朝を創始した大禹陵を参拝していたと考えると、感慨深いものがあります。2023/01/25