内容説明
人類の歴史の上で、二〇世紀ほど科学が急速に発達し、その多様な成果が私たちの生活に浸透した時代はなかった。今日、私たちはさまざまなその恩恵に浴しているが、一方で、過去数十年の科学技術の進歩はあまりにも早く、人間社会との間にさまざまな軋轢を生じてきてもいる。本書は、科学を、その特質と育む土壌、社会との関わりなど多様な角度から論じながら、二一世紀の科学のゆくえを考察するものである。
目次
第1章 科学を発展させてきた人びと(科学技術は身近なところに;科学の天才たち ほか)
第2章 科学を育む土壌―アメリカ、イギリス、日本(「長所を伸ばす文化」と「出る杭を打つ文化」;テニュア制度の本質 ほか)
第3章 科学と国家―科学者たちと科学技術政策(科学の文化が根を張らない日本―一〇〇年前のベルツの批判;科学は歳月を経て実る ほか)
第4章 社会と科学のコミュニケーション―増大する科学者の社会的責任(二〇世紀科学の光と陰;科学はグレーゾーンを拡大する ほか)
第5章 これからの科学はどこへ向かうのか(世界科学会議(ブダペスト、一九九九年)の宣言
知識のための科学 ほか)
著者等紹介
黒田玲子[クロダレイコ]
1947年(昭和22年)、仙台市生まれ。1970年、お茶の水女子大学理学部卒業。1975年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。ロンドン大学Research Fellow、Honorary Lecturer、英国王立ガン研究所Senior Scientist、東京大学教養学部助教授、教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科教授、内閣府総合科学技術会議議員。理学博士。第13回猿橋賞、第1回日産科学賞受賞
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佐島楓
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