中公新書
科学を育む

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016683
  • NDC分類 404
  • Cコード C1240

内容説明

人類の歴史の上で、二〇世紀ほど科学が急速に発達し、その多様な成果が私たちの生活に浸透した時代はなかった。今日、私たちはさまざまなその恩恵に浴しているが、一方で、過去数十年の科学技術の進歩はあまりにも早く、人間社会との間にさまざまな軋轢を生じてきてもいる。本書は、科学を、その特質と育む土壌、社会との関わりなど多様な角度から論じながら、二一世紀の科学のゆくえを考察するものである。

目次

第1章 科学を発展させてきた人びと(科学技術は身近なところに;科学の天才たち ほか)
第2章 科学を育む土壌―アメリカ、イギリス、日本(「長所を伸ばす文化」と「出る杭を打つ文化」;テニュア制度の本質 ほか)
第3章 科学と国家―科学者たちと科学技術政策(科学の文化が根を張らない日本―一〇〇年前のベルツの批判;科学は歳月を経て実る ほか)
第4章 社会と科学のコミュニケーション―増大する科学者の社会的責任(二〇世紀科学の光と陰;科学はグレーゾーンを拡大する ほか)
第5章 これからの科学はどこへ向かうのか(世界科学会議(ブダペスト、一九九九年)の宣言
知識のための科学 ほか)

著者等紹介

黒田玲子[クロダレイコ]
1947年(昭和22年)、仙台市生まれ。1970年、お茶の水女子大学理学部卒業。1975年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。ロンドン大学Research Fellow、Honorary Lecturer、英国王立ガン研究所Senior Scientist、東京大学教養学部助教授、教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科教授、内閣府総合科学技術会議議員。理学博士。第13回猿橋賞、第1回日産科学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

43
とても読みやすく感じた本。ノーベル賞決定の舞台裏、米英の大学の事情、科学史など、面白かった。学校教育において理科系統を嫌いになってしまうのは本当にもったいない(私もそのひとりだった)。世界の仕組みを知りたいという好奇心を持った大人で居続けたいと思う。2015/04/06

NekoApple

3
『科学を育む』/中公新書/★★★★☆/今日の科学研究を育てるために必要なこと、現代科学がかかえる課題、社会と科学のかかわりなどについて述べる。筆者の科学への探究心がにじみでているような書。/http://bit.ly/fxV6Zl 2010/12/17

Ucchy

1
科学技術政策、科学技術と社会の関わり等について広く紹介しつつも、浅くなく読みごたえがある。海外の研究者のキャリアパス、大学のマネジメント、クローン技術などの生命倫理、異分野融合の必要性、研究成果の社会への還元など科学技術基本計画などの政策文書で出てくる話だが、無味乾燥の政策文書とは違い著者の実体験に基づいていて説得力を感じた。著者は総合科学技術会議の議員。2017/05/18

くどう@mext

1
古い本ではあるけれど、科学技術の現状とその課題、他国と比べた我が国の科学技術体制の課題、産学連携と知的所有権の在り方、女性科学者の登用、ポスドクの雇用問題、アメリカへの頭脳流出、社会のための科学技術、科学技術の光と影、等等、今日でも相変わらず課題となっている事象がかなり適切にまとめられていて勉強になった。財政の制約はあるが、如何に効率よく我が国の科学技術、特に基礎研究力を高めていくかをもっと真剣に考えていくべきだな、ってかんじたぜ。2012/09/18

NekoApple

1
http://booklog.jp/users/keithewisdom/archives/41210166882009/10/28

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