中公新書
キルギス大統領顧問日記―シルクロードの親日国で

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015709
  • NDC分類 302.296
  • Cコード C1233

内容説明

シルクロードにたたずむ山岳と草原の国キルギスは、旧ソ連邦からの独立を果たし、市場経済への移行に苦悶していた。IMFから中央銀行最高顧問として派遣された著者は大統領の信頼を得て特別顧問に就任する。時にIMF本部と現地との温度差に悩み、時に日本からの不十分な支援態勢をかこちつつ、新しい国づくりに関わっていく。日本のODAのあり方も考え、両国の相互理解交流に奮闘する中央銀行マンの日々を綴る。

目次

第1章 天山北路の親日国
第2章 国立銀行最高顧問
第3章 大統領経済顧問
第4章 日本センター館長
第5章 天山北路の人・歴史・文化
第6章 中央アジア海外経済顧問
エピローグ 2000年秋

著者等紹介

田中哲二[タナカテツジ]
1942年(昭和17年)、埼玉県に生まれる。1967年、東京外国語大学卒業。日本銀行入行、調査局、発券局、外国局、電算情報局等を経て、国際金融情報センター統括審議役、考査役、国際局参事、1993年、キルギス中央銀行最高顧問として派遣され、のち大統領特別経済顧問、現在、(株)東芝常勤顧問、国立政策研究大学院大学客員教授、中央アジア研究所特別顧問、キルギス共和国名誉市民、キルギス経営アカデミー大学院名誉教授、中央アジア3ヵ国(キルギス、カザフ、ウズベク)経済顧問。専攻、日本金融論、国際金融論、開発経済論。著書に『お金の履歴書』(東洋経済新報社、1984年)、Dual Economy in China (JCIF、1985年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hnzwd

20
独立して間もないキルギスで、中央銀行最高顧問として就任した作者の奮闘を綴った一作。『ルワンダ中央銀行総裁日記』の姉妹作のような作品でした。中央アジアという特性から資源面ではある程度武器があったりと、こちらはこちらで。能力ある人に委ねる、っていうのが大きい事をするには必要なんだろうと。できれば失敗版も読んでみたいが、国家レベルの話だと難しいか。2022/07/26

KAZOO

15
ほかの方も書かれていますが、確かに「ルワンダ中央銀行総裁日記」と比較してしまいます。ただ言葉も比較的不自由な中で一人放り込まれてもやり遂げていくということは非常に大変な努力がいると思われます。そこら辺をあまり感じさせずに淡々と描かれ地るので本当にこのようなことができたのかと不思議に思います。このようなノウハウの継承も重要なのですね。2014/06/30

おとん707

13
中央アジアの小国キルギス。著者は日銀からソ連崩壊後独立間もない同国に中銀最高顧問として派遣されやがては大統領顧問として経済基盤の確立と人材育成に従事する。当時日本大使館もなく日本政府からの援助も乏しい中での公私にわたる奮闘の様子に心打たれる。著者が言いたい事は日本がキルギスのような国々に形だけでなく実効ある援助を怠らず相互信頼と経済外交関係を築く必要性ではないか。後に中国が一帯一路を掲げて中央アジアから日本の影が薄くなるのを20年前に著者は予感していたかのようだ。日本官僚主義への著者の憤りも感じる。2023/10/11

tora

10
なかなか興味深い本でした。 「ルワンダ中央銀行総裁日記」とどうしても比べながら読んでしまいますが、読み物としてはルワンダに軍配が上がるかな。 時代の違い、植民地からの独立か社会主義からの独立か、いろいろ違うので一概には言えませんが。2013/09/21

こにいせ

8
ソ連崩壊後に、独立間もないキルギス共和国に派遣された日銀マンの奮闘記。筆者は、中央銀行員・エコノミストとしてのノウハウを駆使し、キルギスの中央銀行・大統領にコミットしながら制度設計に貢献していく。福山哲郎氏がどこかで言っていたことだが、日本の国際貢献が問題になる際には、こうした文民・官の活躍は語られることは少ない。カネを出すことが全てではないのだ。私たち国民は、地道だが、長期的に貢献度の高い活動をこそもっと積極評価すべきである。2010/06/08

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