内容説明
九州にニホンカモシカはいるのか―著者が従事した調査は“幻の動物”の生態を探る目的で始まった。のちに特別天然記念物に指定され、大繁殖したカモシカは、森林乱伐により住みかを追われて植林地に出現。若木を食い荒らして「保護か駆除か」の激しい論争を巻き起こした。野生動物と人間の共生はどうすれば可能なのか。カモシカの研究に半生を捧げ、食害問題の対策に尽力した動物生態学者が、自然保護のあり方を考える。
目次
序章 カモシカ研究事始め
第1章 ニホンカモシカとはどんな動物か
第2章 反芻類としてのカモシカ
第3章 生まれてから死ぬまで
第4章 ニホンカモシカを追う
第5章 「カモシカ問題」とは何か