中公新書<br> 砂の魔術師アリジゴク―進化する捕食行動

中公新書
砂の魔術師アリジゴク―進化する捕食行動

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015242
  • NDC分類 486.76
  • Cコード C1245

内容説明

アリジゴク(蟻地獄)はウスバカゲロウ類の幼虫だ。砂の中にすり鉢状の巣を掘って、餌が落ち込んでくるのをひたすら待つ―そんなイメージで調査を始めた著者は、多種多様なアリジゴクに触れるうちにその魅力から逃れられなくなる。巣穴を掘るのは実は少数派であった。さらに巣穴から溝を伸ばして小動物を導く巧妙な仕掛けを使う種も発見された。日本の浜辺からオーストラリアの内陸部まで、砂の中にひそむ魔術師の生態と行動を追う。

目次

第1章 捕食性昆虫とは何か
第2章 砂の魔術師
第3章 アリジゴクの生活史
第4章 砂丘環境とアリジゴクの捕食戦略
第5章 さまざまなアリジゴク
第6章 オーストラリアにアリジゴクを求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

46
2000年刊。アリジゴクはウスバカゲロウ科の幼虫。本書は少し専門的だけど著者の研究オタクぶりが楽しい。クワガタ似の大アゴで獲物を捉え、毒で弱らせてから体液を吸う。写真やイラストの姿はハッキリ言って不気味。砂地にすり鉢状の巣を作る種は一部で、薄く砂を被るだけの者、岩肌(墓石も)でコケを被る者、歩き回る者もいる。獲物が来ないと呼吸を1〜2割まで低下させる実証実験では、人間の好奇心という特性は異常かも、などと感じた。後半のオーストラリア研究記も、よくやるわと思わせる。膨大な虫の生態は、実はほとんど分かっていない2023/01/03

takao

2
ふむ2022/08/01

しょー

2
 アリジゴクは麻痺させて捕獲する。生物は思いもよらない機能を有しているようだ。ある科学者(だれだか忘れた)が、「知れば知るほど、神の存在を信じてしまう」と書いていた。今なら、彼の言い分が理解できる。2013/06/12

たけし

1
アリジゴクの巣に関する研究と、オーストラリアでの採集・研究記。巣を作らないタイプが大多数だったことに驚き。そしてオーストラリアでの溝付き巣穴を作るアリジゴクの存在とその溝付きの効果に驚き。知らないことを知るのは楽しい。淡々と進みがちなこの手の本にあって後半のオーストラリア記が意外とエッセイ的で、最後の締めはちょっと感動的ですらあった。2020/01/04

Kanbukyoukou

0
オオウスバカゲロウの幼虫…でけぇ! アリジゴク型でこの大きさは感動。例の巣は作らないらしいけど。2016/01/19

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