内容説明
敗戦直後、日本社会党が誕生した。戦前の無産政党を糾合し、「社会主義国日本」を目指しての結党である。しかし以後半世紀、一度として単独政権を打ち樹てることなく、ついに崩落した。社会党の歴史は、日米安保体制=自由主義陣営を打破する闘いとそれに絡まる路線・派閥抗争の軌跡でもある。ソ連型社会主義と共振するその「理想主義」は、議会制民主主義と相容れない側面をもっていた。日本社会党を通して、戦後日本の全体像に迫る。
目次
戦後社会主義の出発
「日米安保」を求めて
講和・安保に臨んで
60年安保の疾走
後期冷戦のなかで
冷戦終焉と日本社会党の崩落
日本社会党の「理想主義」