中公新書<br> 能楽師になった外交官

中公新書
能楽師になった外交官

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  • サイズ 新書判/ページ数 158p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014894
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1298

内容説明

1968年3月に、ひとことの日本語も知らないままベルギー王国の大阪総領事として赴任した著者は、ふとしたことから謡を習い始める。長時間の正座の苦痛にもめげず、外交官としての多忙な職務のかたわら、精力的に稽古を重ねるうち、能を通して豊かな人間関係が築かれていった。その後駐日大使として再び来日し、九年間滞日したが、本書は、彼の外交官としての激務の日々を支えた能への思いと、日本への愛情を綴った記録である。

目次

第1部 能楽修業(大阪総領事時代;砂漠の横断;東京での駐日大使時代)
第2部 私の出会ったもっとも型破りな日本人、本田宗一郎(ヨーロッパ初の日本工場;日本・ベルギー協会ユーロパリア・ジャパン;ベルギー政府の公式な感謝;本田さんと私 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れみ

75
元駐日ベルギー大使である著書が自身の日本での能との出会いと様々な人との出会いについて書いた本。能楽師と外交官というふたつの一見かけ離れていそうな職業がどう結びつくのかという好奇心で手に取った。能という今まで出会ったことのない文化と出会いその道を歩くことになったひとりのベルギー人としてのエピソードがユーモアも交えて語られながら外交官の仕事がどんなものなのかも語られていてどちらの面もすごく興味深かった。2017/05/05

zag2

23
元駐日ベルギー大使だった著者の自伝。といっても日本での交流、とりわけ能を通しての日本人との関わりを中心とした話で、感心したり、驚いたりの一冊。能楽師とは言っても、能楽師という言葉でイメージするプロの役者ではなく、謡の稽古をしたという話なのだが、そうは言っても、これだけ真剣に謡に向き合っている日本人の素人弟子はそうそういないだろうと思いますね。2024/01/30

たまきら

16
図書館放出本。ふふふ、外交官らしい人たらしな著者の回顧録…といったところでしょうか。能の世界を海外の人の目から見るとどうなんだろう?と興味が出て手に取ったのですが、彼の文章からは海外の視点を感じませんでした。それよりは、華やかな著者の社交性と人と出会い、その人の好さを認めるセンスの良さに(なるほど~)と感じ入った、そんな読後感です。2017/11/11

壱萬弐仟縁

11
能に、焼き物にも造詣が深い著者(ⅷ頁)。優れた芸術には、外国人だろうが邦人だろうが、誰でもその主体になれるということがわかる。真正さ、神聖さが感じられる、神社境内の写真もある(51頁)。2013/06/02

Mikio Katayama

3
ベルギーの女性作家、アメリー・ノートンが夙川で過ごした彼女の幼少期の時代を書いた小説のなかに、領事館だった彼女の父が神戸で能の稽古に通ったという記述があった。その父親がこの本の著者、パトリック・ノートンだ。最初は外交官としての社交辞令がきっかけだった。しかしこの誠実な外交官はこの芸能との付き合いを一時の気まぐれにしなかった。能の稽古に律儀に毎週通い、能を通じて彼は日本とさらに深い関わりを持つようになる。この著作は能を通じて彼が知り合った日本人への心のこもった礼状のような本だった。2017/04/27

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