内容説明
北京の紫禁城は明朝第三代の成祖永楽帝の命で、1407年に着工され20年に完成した。翌年、成祖は北京に遷都し、一九一二年二月に清朝最後の宣統帝が退位するまで、紫禁城は明清両王朝を通じて24人の皇帝が居住し、500年にわたり政治の檜舞台であった。この一群の建物は皇帝の住居であると共に、その絶対的権威を内外に誇示するための政治的建造物でもある。紫禁城での皇帝たちの動静に注目しつつ明清両王朝の歴史を描く。
目次
第1話 明から清へ
第2話 満洲族の入城
第3話 国姓爺鄭成功
第4話 聖王あらわる
第5話 天命を信じて
第6話 乾隆全盛の日
第7話 陽は西に傾く
第8話 海から来る嵐
第9話 亡国への坂道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
18
面白かった。ただこのタイトルだと、紫禁城に関する逸話だけを集めた作品だと勘違いしてしまう人がいるのではないか。(私は勘違いしてしまった笑)。実際は清に多くのページを割いた明・清の歴史の概説書。特に康煕帝から始まる名君3人の時代の内容が充実している。今まで名前くらいしか知らなかった康煕帝だが、本当に有能な皇帝だと思う。中国の王朝に限らず、世界の君主の中でもトップクラスの名君だろう。為政者としても個人としても尊敬できる人だ。 2015/08/18
西條風太郎
2
紫禁城を皇宮とした明、清の皇帝を中心に14世紀から19世紀にかけての中国の歴史をざっと描いた本。全体を満遍なくではなくて、強弱の変化をつけながら具体的な物語として描いていると思う。明代は最初の30ページほどで言及は終わり、特に清王朝に重点が置かれている。清の名君の偉大さを描き、”国姓爺”鄭成功を描き、衰退する清と恥ずべきイギリスのアヘン戦争を描き、西太后の一代記として清の滅亡を描く。よくまとまっていて分かりやすく、イメージも浮かびやすい。異民族による征服王朝である清の巧妙な統治政策など感心してしまう。2011/09/01
ぱぴ
0
あっさり系。2023/02/01