中公新書<br> インド現代史―独立50年を検証する

中公新書
インド現代史―独立50年を検証する

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  • サイズ 新書判/ページ数 331p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014290
  • NDC分類 225.06
  • Cコード C1222

内容説明

1947年インドは英国統治から独立、九七年に独立50周年を迎えた。初代首相ネルーは多様性の中の統一を国家目標とした。しかし独立から今日まで大部分の期間、インドは常に戦争の脅威と危機に見舞われる厳しい国際環境を生きてきた。憲法に世俗主義を謳い会議派主導できたこの国に、九八年春の総選挙でヒンズー至上主義の人民党連合政権が誕生した。インドの価値観、政治社会構造、機能メカニズムを平易に描き50年を検証する。

目次

第1章 インドの民主主義の変容―カバーナンスの衰退
第2章 宗教と社会と政治―ムスリムとヒンズーを中心に
第3章 カースト制度の現代的意味
第4章 市場と国家と分配的正義―経済改革の政治社会学
第5章 苦悩するインド外交―現実主義と理想主義の狭間で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

20
インドの独立後の歩みを、社会の下層からの視点を重視して考察した新書。現代のインドの問題点を著者が解説し論じている。インドの政治のシェアは下層の人々の方が大きいというのは意外だった。民主主義は確固として根付いているけれど、インド人の多様性を包含する政党・政治家が会議派衰退以来なかなか現れないのが問題らしい。しかし、知的な中産階級が数千万人もいるのは圧倒的な強みだ。平易な言葉で叙述されていてるのはいいけれど、全体的な構成が悪いように感じる。カースト制・宗教の章が前で政治に関する章は後の方が良かったのでは。 2015/01/02

日暮里の首領様

0
正直、読み辛かった。文章やテーマが晦渋というわけでもないし、すらすらと読み進めることもできるのだが、時系列に沿っておらず、次々と多様なテーマが飛び出してくるので、頭の中で整理がつかない。しかしそれもまた、インドという国の姿なのだろうか… 独特の議会制民主主義が深刻な機能不全を抱えつつも根付いてきた歴史を軸に、カーストと留保制度、宗教と世俗主義、そして国際政治など、多様なインド的テーマを絡めて叙述する。汚職、コミューナルな紛争、大統領非常事態についての叙述は、立体的で評価できた。2012/12/03

西條風太郎

0
非常に抽象的な内容の本で、インド現代史そのものではなく、インド現代史についての論評と言った方が良い。すでにインド現代史のあらましを知っている人に向けて書かれており、その歴史的事実をどう解釈するか、そんな内容の本だ。具体的な歴史を添えて語るとか、抽象的な本だと分かるようなタイトルにするとか、もう少し読者への誠実さがあっても良かったはず。2011/09/21

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