中公新書<br> カストロ―民族主義と社会主義の狭間で

中公新書
カストロ―民族主義と社会主義の狭間で

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  • サイズ 新書判/ページ数 195p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121012920
  • NDC分類 259.1
  • Cコード C1231

内容説明

「人間の目が見た最も美しい島」と賞賛されたキューバは、スペインからの独立後も隣接する大国アメリカの絶えざる干渉、地政学的地位への関心ゆえに接近するソ連の狭間で揺れ動きつつ、社会正義と民族主義の理想を追求してきた。しかし、カリスマ的指導者カストロの独断、計画経済の構造的欠陥、野心的に過ぎた高福祉政策と国際主義の破綻により、経済は極度に逼迫し国民の希望は喪われつつある。社会主義の理想は生き残りうるのか。

目次

第1部 革命に向けて
第2部 革命初期段階(革命政権;対米関係の崩壊と対ソ関係の構築;キューバ・ミサイル危機;模索と低迷の時代)
第3部 興隆期(ソ連・キューバ関係の再構築;国内政治・経済体制の整備;国際的地位の向上を求めて)
第4部 転換期(キューバ経済低迷の背景;ソ連の衰退とキューバ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

9
カストロが清廉な政治家じゃなければキューバも資本主義の国になっていたんだろうか。2017/10/23

sagatak

5
フィデルカストロあってのキューバは分かりきったことだが、実に多難な局面を乗り越えてのことだったと改めて知る。元キューバ大使の著者もあとがきで言うが、批判的にかつ弁護したい、このことに共感する。一昨年キューバ旅行したが、これが書かれた1996年以降も地道な努力は続いていると思った。国民感情も大きくは変化してないと感じるが、いずれフィデル亡き後どんな国になるのか、ともかくキューバ人の幸せを願うばかりだ。2012/08/22

富士さん

4
再読。ちょっと古い本ですが、カストロさんについて知ろうとする向きには一番手軽な良書です。キューバの近代史の最も興味深い事実は、理想も輸出できる、ということに尽きると思います。ソ連の傘に守られ、えこひいき貿易で食いながらも対等にふるまい、しかもソ連が得られなかった名誉という名の資源で今も優位を維持し続けている姿は示唆的です。これが“現実”的にふるまっていたなら、きっと現実に押し流されて滅びていたことでしょう。理想では食えませんが、食うだけでも生きていけない現実が、この人と政権を支え続けてきたように思います。2016/05/21

おらひらお

4
1996年初版。いろいろと問題があるのでしょうが、キューバにおけるカストロの存在は大きいですね。最近体調悪いみたいですが、大丈夫でしょうか?あと、演説を11時間もやるとはさすがです。2012/09/14

ジュンジュン

3
カストロ死去(16年)もあって,「チェゲバラ」(中公新書)と併読。カストロの生涯と言うより、キューバの現代史といった内容。それだけ、キューバ革命と一体なのだろう。経済状況の変遷がわかり易く、著者(親交のある外交官)の公正な姿勢と相まって、とても読みやすかった。2017/04/11

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