中公新書<br> 鉄道ゲージが変えた現代史―列車は国家権力を乗せて走る

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中公新書
鉄道ゲージが変えた現代史―列車は国家権力を乗せて走る

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009920
  • NDC分類 686.22
  • Cコード C1229

内容説明

ロシアはシベリア鉄道建設(広軌)によって陸路中国に到達可能となり、東アジアに覇を競う列強に衝撃を与えた。日英両国はこれに対抗すべく標準軌による鉄道建設を計画する。当時、鉄道は国家の近代化を示すバロメーターであり、建設された鉄道は国家の勢力範囲そのもので、どのゲージを選ぶかは国家的重大事であった。本書は、十九世紀末から日露戦争、満鉄建設、第二次大戦に至るアジア現代史を、鉄道ゲージを通して検証する。

目次

1 シベリア鉄道の脅威と京奉鉄道
2 朝鮮半島縦断鉄道の建設
3 軍用鉄道の建設と改修
4 満韓連絡鉄道建設問題
5 満鉄平行線問題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi_N

34
鉄道と兵站線が密接に関係していた頃は、それを守ることが大事だった。2018/09/15

takao

3
ふむ2024/01/16

風見草

3
満州地域の鉄道路線が、地政学をめぐるパワーゲムの現場だったということが良くわかる。ゲージやルートの選択即外交の力比べという実態を目の当たりにする。鉄道マニア目線で路線図を見ていると、かえって気付かないだろう。満州の鉄道路線網がここまで露骨に外交政治が絡んでいたとは知らなかった。2014/12/12

印度 洋一郎

2
19世紀後半、陸上輸送の主力だった鉄道は、経済・軍事における戦略インフラだった。当時、シベリア鉄道で極東進出を目指すロシアと清国領土を北へ向かって権益を獲得していたイギリスの国益が、東アジアで衝突。ここに否応なく巻き込まれる形で日本も又大陸へと鉄道を作っていく。鉄道即ち国益そのものだったため、ロシアの広い広軌と英日のより狭い標準軌のどちらの規格の鉄道が敷かれるか、そしてどんなルートを敷くかが互いの勢力圏を決定した。鉄道計画がそのまま清国、朝鮮、アメリカをも巻き込んだパワーゲームとなる、帝国主義時代だなぁ。2016/12/17

rbyawa

2
c092、昔日中戦争前史をメインに扱っていたころ、日清戦争から日露戦争へと至る流れが(日英同盟の流れなどを頭に入れたあとも)いまいちわかりにくいなと思っていたのだけれども、この本を読んで概ね氷解した。なるほど、兵力を運ぶのに鉄道と船くらいしか当時なかったのか、確かにロシアから日本本土は海路のみでは戦えないとは思う。シベリア鉄道に脅威を覚え、自国&英国の標準軌鉄道を朝鮮半島ならびに満州に敷こうとしたという水面下の闘争も実にわかりやすかった。ただ張作霖が出てきた辺りから失速、この辺は経済事情で補うべき話かな?2012/09/03

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