中公新書<br> 古代の日本海文化―海人文化の伝統と交流

中公新書
古代の日本海文化―海人文化の伝統と交流

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  • サイズ 新書判/ページ数 202p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009814
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C1225

内容説明

古代の日本海沿岸には、天然の良港・潟湖を拠点に船を操り、沿岸各地や遠く朝鮮半島、沿海州、大陸と日本海ルートで交易を行い、経済力を貯えた海人集団がいた。かれらが築いた文化の伝統と交流の跡は、日本海沿岸各地に見る巨大古墳群、四隅突出型方墳、巨大住居址、玉作り工房跡等のほか内陸にも窺い知れる。本書は、古代の日本海文化の実相と伝統を明らかにし、ひろく東アジア世界の視点に立ち、国際文化交流の跡も検証する。

目次

第1章 越と出雲との交流
第2章 日本海域の海人文化(海人と洞穴文化;日本海域の航海術)
第3章 日本海域の玉作り文化(〓状耳飾の文化;日本海域の玉文化の特性)
第4章 渇湖は地域文化の拠点(丹後半島;布勢の水海)
第5章 内陸の日本海文化
第6章 渤海文化の窓口、日本海
第7章 日本海沿岸の霊山信仰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaz

2
飛ばし読み。遺跡や出土品をたどると日本海沿岸で文化交流が盛んにおこなれていたことが見えてくる。古事記や日本書紀、風土記などにもその様子は描かれている。陸と同じかそれ以上に、川や海の水の道が重要な役割を持っていた。しかも遠く朝鮮半島とも交易を行なっていた海人集団がいたという。これからの東アジア地域の交流を考える上で、古代人たちの交流について知っておくことはなんらかのヒントをもたらすに違いない。2020/11/06

ひよピパパ

2
日本海側で発見された数多くの遺跡の発掘調査結果を網羅。日本海沿岸域における人的交流の様相を解き明かす。朝鮮半島や、中国―特に渤海国―との交流の面から見ても、古代における日本海側の地域が決して「裏」日本ではなく、国際的かつ文化的な地域であったことを教えてくれる。日本海沿岸の霊山信仰について、中国の道教の影響が色濃く残っているとする指摘が、個人的に面白かった。2016/05/25

takao

1
ふむ2023/11/01

印度 洋一郎

1
著者は富山県県職員(博物館学芸員→市教委職員)。それまで余り注目されていなかった、日本海沿岸地域の古代文化について、80年代の時点での発掘調査の結果に基づいて考察している。古代の錨である石錘、沿岸からの航法上のランドマークである沿岸各地にある霊山信仰など、海人(海の民)の文化を紹介。ヒスイや黒曜石など、古代の戦略物資の広範囲な流通から海上交通路の広がりを想像する。日本海沿岸には、能登半島や佐渡島に洞窟を使った墓所が点在しているが、畿内の人間はこれを「異種族の習俗」と敬遠していたらしい。2023/07/26

Junko Yamamoto

1
再読。洞穴葬、耳環、水深器、勾玉と日本海文化の独自性をいろんな切り口で浮き彫りにしている。一番知りたかったのは洞穴葬から四隅突出墳墓への移り変わりと、丹後地方の古墳と大和朝廷との関わりであったが、推論は排しており、発掘の事実のみ記している。2016/12/05

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