内容説明
過去との対話によって、現在を照らしだす歴史学の名著21冊。
目次
津田左右吉『文学に現はれたる我が国民思想の研究』
ホイジンガ『中世の秋』
パウア『中世に生きる人々』
ヒンツェ『身分制議会の起源と発展』
チャイルド『文明の起源』
ピレンヌ『ヨーロッパ世界の誕生』
ブロック『封建社会』
ルフェーヴル『1789年―フランス革命序論』
ブルンナー『ラントとヘルシャフト』
大塚久雄『近代欧州経済史序説』
高橋幸八郎『市民革命の構造』
石母田正『中世的世界の形成』
コリングウッド『歴史の観念』
ブローデル『フェリペ2世時代の地中海と地中海世界』
カー『ボリシェヴィキ革命』『一国社会主義』
エリクソン『青年ルター』
ホブズボーム『反抗の原初形態』
テイラー『第二次世界大戦の起源』
フーコー『言葉と物』
ヴェントゥーリ『啓豪のユートピアと改革』
ウィリアムズ『コロンブスからカストロまで』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
4
20年前の「現代」の歴史学の名著。今の問題意識とは異なる点があるが、名著には変わらない。また、20年の間に出版された本もあったり、クラシックとなった本もあり。2020/05/26
isao_key
4
本書には20世紀に書かれた歴史書といえる本を21冊紹介している。ぜんぜん知らない、聞いたことのない人も多い。特に読んでみたいと思ってのは、バウア『中世に生きる人々』、テイラー『第二次世界大戦の起源』。テイラーによれば、第一次大戦に対する歴史家の関心は、もっぱらその起源に向けられ、戦争の経過にはあまり注意が払われていない。これに対し、第二次大戦に関しては、戦争の経過に関心が向けられているのに、その起源に歴史家はほどんど言及しない。なぜこのような全く逆の事態が生じたのであろうか、などと書かれ興味を引かせる。2014/10/13
サアベドラ
3
1989年刊行。20冊前後の歴史書の概要と著者の略歴が各8ページ前後書かれている。ホイジンガ、ピレンヌ、ブロック、ルフェーブル、ブルンナー、コリングウッド、ブローデル、ホブズボーム、フーコーと錚々たるメンツが並ぶ。日本人は津田左右吉、大塚久雄、高橋幸八郎、石母田正の四人。のちに編者が述べている通り西欧近代に寄ってるし、執筆者に当たり外れがある気がするが、20世紀の歴史学に影響を与えた古典的作品のブックガイドということで一応役に立つ。なお、2010年に続編が出てる。2012/08/17
ざっきい
0
歴史学について知りたく読んだ本。21冊の簡易解説を通して歴史学の歴史をざっくり学べる。歴史的事件を並べ、帝国主義・マルクス主義的思想が反映された歴史書に対し、庶民の生活に重きを置く視点やナイーブに説明されてきた歴史的事件を経済的・社会的・地理的に読み解く視点、「従属理論」の視点、さらには心理学者や哲学者からの視点が表れ、歴史学がゆさぶられる様子が面白い。個人的にはE.H.カー「歴史とは何か」よりおすすめ。2016/01/27
よこ山
0
全部の本が必読というわけではなさそう。2014/10/24