感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
知名度の割には意外と少ない、出雲阿国の研究書。資料が少なく、芸能人という人物象からやってしまいそうな想像を極力抑え、リアルタイムの一次資料とその周辺資料を中心に阿国の経歴や実像、そして当時の日本の芸能についても考察している。そこで見えてくる出雲阿国とは、幼い頃から宮中や上級公家の屋敷にも出入りして踊りを披露し、日本各地でご当地にウケる題材を取り入れながら巡業し、当時の踊る芸能人としては高齢になっても、流行の先端を取り入れた艶やかな踊りを舞う、やり手の女性だ。皇族や公家に贔屓筋を抱えているのは意外だった。 2022/01/18
ELW
0
枢密院議長が有する脚本検閲権は、侍従長官に委託されて いたようだが、江戸幕府は評定所かな。両国とも女性が舞台にあがるのを「不道徳」と考え、制限したのであろう。室町時代の芸能を中学生・高校生の教科書に反映するのはけっこう泥沼であることが分かった。しかし、舞踏の意味、時宗の 概要など勉強になった。2021/06/25