感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
10
140年前のロンドンを文学作品を読み解きつつガイドする。メイヒューのルポルタージュからはコヴェントガーデン朝の青物市場の殺人的混雑が知られる。国立オペラ劇場になるはずだった場所は資金難のため、スコットランドヤードとなる。テムズ河左岸はまだ護岸工事が施されておらず、泥だらけの岸のあちこちに船着き場が設けてある。ディケンズの1836年のスケッチが手がかりだ。更にはゴールドスミスの描く珍しい債務者監獄(1860年に廃止)にはディケンズの父も入獄しており、チャールズは靴墨工場で働いていたのだという。2023/05/09
たいにー
0
オリバー・ツイストの著者ディケンズを中心に、「ほんの百年前の」ロンドンを彷徨い歩く。警察庁の成り立ちに感心した。しかしその直後、貧困が生み出す混沌に圧倒された。大都市はかくも苛酷で、だが人間ははるかに逞しく、しぶとい。2012/04/26
