走狗

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走狗

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  • サイズ B6判/ページ数 515p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120049248
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

西郷を裏切り、大久保と国に身を奉じた男、川路利良。薩摩三巨頭の運命の変転、激動の幕末・維新期を描く歴史長篇、ここに見参。

内容説明

権力の座に魅入られた男が見た、維新の光と闇。西郷と大久保の影を担い、警視庁長官まで上り詰めた川路利良の生涯を描く巨篇。歴史小説の第一人者が、今、明治政府の真実を書き換える!

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を、『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「本屋が選ぶ時代小説大賞2011」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

141
伊東潤は、新作中心に読んでいる作家です。戊辰戦争から明治維新の歴史小説は、たくさん読んでいますが、川路利良の物語は初めてです。515P、一気読みしました。走狗の役割に徹することで、立身出世した主人公が走狗の使い手となり、また最期は走狗に戻るといった皮肉のストーリーでした。本書のどこまでが史実か解りませんが、薩摩閥は長州閥の謀略に嵌ったのかも知れません。ところで野球選手の川崎宗則(鹿児島出身)がたまに使う「チェスト」は薩摩藩から歴史を超えて脈々と伝わっているですネ。2017/01/16

いつでも母さん

119
江戸から明治にー維新の勉強をさせられた感じ。何故だ?初代警視庁長官に上り詰めた男・川路利良よ!そりゃあ野心はあったさ。あの頃の男なら野心の一つ位持ったはず。だがいつの間にか『走狗』となっていたのだなぁ・・しかし、支えてきたはずの大久保に飼い犬に指図する犬と言われ、真剣で闘った男・斉藤一には負け犬と言われる。それでも『国家のため』を自らの御旗と仰ぎ行き着くところまで行ってしまったんだなぁ。『走狗』は考えてはいけない。だから哀しいよ・・2017/03/21

Shintaro

97
最近、歴史小説は伊東潤と木下昌輝だけおさえればいいと思っている。歴史小説を書く者は必ず西郷を書きたいと思うに違いない。しかし林真理子の著作は読みたくない。だからこれにした。本作は川路利良の大河小説。司馬史観を逸脱するものではなく、明治維新をおさらいしたような気分だ。明治維新は一つの革命であった。フランス革命のように反革命、急進、反動が渦巻く時代である。川路は西郷によって引き立てられた薩摩藩士であるが、結果的に西郷を死に追いやったのかもしれない。川路が何の走狗だったのか、それは本作読了後、じっくり考えたい。2017/12/03

takaC

93
大河の『西郷どん』には今のところ当然ながら川路利良は出てきていない。大河ドラマはどこまで演るのか知らないので、いずれ出てくるのかどうかも分からないけど。2018/05/12

Die-Go

91
図書館本。明治期の警察組織を作り上げた川路利良の生涯を描く。薩摩の下級武士である利良は大恩ある西郷隆盛の引き立てによって警察組織を作り上げていく。 その中で、いつしか国家権力の走狗となっていく。   全体的に暗い色調で描かれていて、利良に哀れさが催される。明治期の混乱の中で警察と言う昭和初期の暗黒面を受け持つことになる組織の予兆が窺われる。★★★☆☆2018/06/01

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