内容説明
世界初、本格的日本アニメ論。
目次
第1部 序説(なぜアニメなのか?;アニメの日本、そして世界におけるアイデンティティ)
第2部 身体、変身、アイデンティティ(『AKIRA』と『らんま1/2』―怪異な若者;肉体の支配―ポルノグラフィー・アニメにおける身体 ほか)
第3部 魔法の少女とファンタジーの世界(現実ばなれした存在の魅力―宮崎駿の「少女」の世界;ロマンチックコメディにおけるカーニバル性と保守性)
第4部 国家という物語のリメイク―歴史を見据えるアニメ(無言の訴え―『はだしのゲン』『火垂るの墓』、そして「犠牲者としての歴史」性;『もののけ姫』―ファンタジー、女性性、「進歩」という神話 ほか)
著者等紹介
ネイピア,スーザン・J.[ネイピア,スーザンJ.][Napier,Susan Jolliffe]
1955年生まれ。84年にハーバード大学院博士課程取得(ph.D)取得。84~85年テキサス大学助教授、85~86年プリンストン大学助教授、86年テキサス大学助教授を経て現在はテキサス大学三菱日本学科教授。専門は近代日本文学
神山京子[カミヤマキョウコ]
東京生まれ。東京女子大学短期大学卒業。97年よりバンクーバー在住、翻訳活動に従事
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニョンブーチョッパー
11
★★★★☆ 20年以上前の本なので、扱っているアニメは若干古めだけれど、それでも重要なアニメ作品はピックアップされている。内容が学術論文かってくらいしっかりしていて、読んでいてちょっと疲れるけれど、内容的には非常に充実している。『AKIRA』と『らんま1/2』が「変身」というキーワードで繋がるとは思ってもいなかった。直前に緒方さんの著書を読んだばかりなので、『エヴァンゲリオン』については表からも裏からも知ることができた感じがしてタイミング的にはちょうどよかった。↓2023/07/23
詩歌
6
米の日本文学研究者から見た日本のアニメについて。新しい視点で興味深い。今後は英語・キリスト教圏の話ばかりでなく、中東の研究者の話も聴いてみたい。2014/04/18
かみーゆ
2
スーザン女史、NHKでやってたサブカルチャー史で知りまして、本を見つけたので読んでみました。身体的なメタモルフォーゼを背景に若者の葛藤を描く、みたいな文脈でAKIRAとらんま1/2を比較するとか、終末的大惨事を描いた4大アニメとしてナウシカ、AKIRA、エヴァにうろうき童子を入れてるとか、外からのフラットな視点が不思議というか新鮮というか。火垂るの墓とはだしのゲンの話のところでは「アジアへの侵略をなかったことにして被害者としての側面しか描いてない」と書いてたりもして、なかなか刺激的な一冊でした。2023/09/04
発泡スチロール
2
一つの視点として外国人から見たアニメ批評を読める。良書2012/06/09
fantamys
2
さすが海外目線というところだけれど、国内からの視点では気づかない部分が多くあって、良くも悪くも興味深い。2012/04/15