内容説明
幼子を残し妻とともに5年にわたり世界放浪、エロスと男女の自由な関係を問う反骨の80年。写真で実証する作家の劇的な生涯。
目次
評伝金子光晴(鬼の児誕生;詩人の誕生;第一次洋行;第2次洋行;戦争の時代;戦後・老晩年)
エッセイ(旅の混沌)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
13
金子光晴のアルバムを通して金子光晴の詩と人を紹介する入門書。普通にエロジジイだと思うのだがなんでこんなに人気があるのか不思議な気がした。絵と詩と嫁さんだった。森三千代がいたから自由に振る舞えたのだと思う。森三千代について改めて知りたいと思った。2023/07/19
ぞしま
10
金子光晴の人生を資料(写真、原稿、画)と共に。個人的には妻の三千代の表情がどれも違っていて、興味深く思えた。2017/02/10
ポン
3
『旅の混沌』沢木耕太郎 金子光晴氏の紀行文への指摘、紀行文には『私』と『土地』が必要。これには深く納得させられました。沢木氏の文章には、『私』がしっかり記されている。それが好きな理由の一つなんだと思いました。 2018/04/04
TB
0
C図書館本。岩井志麻子の『煉獄蝶々』を読んで、金子光晴に興味を持ったので。大鹿家の三男・安和として生まれ、ひ弱だったため女装させられることが多く、それが縁で金子荘太郎・須美の夫婦にもらわれることになった。夜は乳房の間で抱きしめて寝る叔母さんも同居していた。等々、『煉獄蝶々』の元ネタそのもの。三千代の浮気と生活苦を打開するための当てのないパリ行きを、金もないのに強行。絵の才能があったので、東南アジアで絵を売って旅費を工面。でパリへ。絵の才能は素晴らしい。春画も多いようだけど。当時のパリの風俗は爛熟ですなあ。2022/10/09