内容説明
義理人情の柵を、美しい詞章と巧妙な作劇で織り上げ、人間の愛憎をより深い所で捉えて、感動を呼ぶ近松の代表作「曾根崎心中」「国性爺合戦」等五編を収める!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なおこっか
3
石牟礼道子×志村ふくみ『遺言』の中で、『曽根崎』の話題が出ていて、能『沖宮』と直接的に結びつけてはいなかったが、“道行き”の物語を久々に読もうとひっぱり出してきた。本職でなくとも声に出して読みたくなる、名調子。『曽根崎』の観音巡りも、『天の網島』の橋尽くし(これを読むと、須賀敦子さんのお祖母様のことを必然的に思い出す。ヴェネツィアと大阪を行き来する思いが実に須賀さんらしくて好きなエピソード)も、見事なまでに美しいが故に、悲しい。改めてみると、若き厄年女子たち(数えで19)は凄く肝のすわったいい女だわ。2019/02/06
ダイキ
2
大近松。「かたじけなくも大明国は三皇五帝礼楽を興し。孔孟教へを垂れ給ひ 五常五輪の道今にさかんなり。天竺には仏因果を説いて断悪修善の道あり。日本には正直中常の神明の道あり。」〈国性爺合戦〉2016/11/04
-
- 和書
- 熊 - 他三篇 岩波文庫