新潮新書<br> 食魔 谷崎潤一郎

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新潮新書
食魔 谷崎潤一郎

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106106699
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

文豪を読み解く鍵は“食”にあり。絶品から珍品まで、文豪は何を食べ、いかに食を通して人間を描いたか。その食い意地、藝術的なり! 文豪を読み解く鍵は“食”にあり。絶品から珍品まで、この世のうまいものを食べ尽くした文豪は、食を通して人間の業を描き切った。かつてない谷崎潤一郎論!

坂本 葵[サカモト アオイ]

内容説明

その食い意地こそが、最大の魅力。「料理は藝術。美食は思想」という哲学を生涯貫き、粋な江戸前料理からハイカラな洋食、京都の割烹、本場の中華まで、この世のうまいものを食べ尽くした谷崎潤一郎。「食魔」とも称された美食経験は数多の名作に昇華され、食を通して人間の業を描いた。「悪い女ほどよく食べる」「蒟蒻とサドマゾ」「東西味くらべ」など、斬新なアングルで新たな魅力を掘り起こす、かつてない谷崎潤一郎論!

目次

第1章 谷崎文学と食の哲学(美食は芸術である;食の原風景 ほか)
第2章 美食小説を読む(人間のクズたちがグルメを極める;なぜ他人の食卓が気になるのか ほか)
第3章 料理百花繚乱(東西味くらべ;かくも美しき和食の世界 ほか)
第4章 グロテスクな食い物たち(アンチ・グルメの美学;まずいもの ほか)
第5章 谷崎潤一郎・食魔の生涯(味の原点、幼少期;一中、一高、帝大時代 ほか)

著者等紹介

坂本葵[サカモトアオイ]
1983(昭和58)年、愛知県生まれ。作家。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科修士課程を修了。大学の非常勤講師の傍ら執筆活動をはじめる。2014年、『吉祥寺の百日恋』で長編小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

102
谷崎の食と色の芸術を突き詰めていて興味深かったです。私生活で料理と美食に芸術と思想を見出しているのが谷崎らしいところだと思いました。実際の食のみならず、作品とも絡めているからこそ見えてくる気質が面白かったです。食も谷崎にかかると耽美で官能に変化する。そこには食べることへの尽きない欲望があるからなのでしょうね。2016/07/26

青蓮

99
料理は藝術、美食は思想ーー食へのこだわりは尋常ではない「食魔」である谷崎潤一郎。お腹が膨れれば何でもいい私とはまるで正反対。彼は相当、舌が肥えてたようで、食糧難の戦時下でも食事は贅沢三昧。しかも食べっぷりも凄い。そんなに食べてたら、そりゃ体を壊すよねって言う程の健啖家ぶりには驚かされます。彼の作品に登場する料理も美味しそうで、読んでいて何だかお腹が空きました。しかし、彼の「食」は単に美味しい物に留まらず、不味い物にも及んでいて流石「食魔」だけあるなぁと妙に感心してしまいます。また谷崎文学も再読したいです。2016/09/02

つちのこ

34
本書を読み終えてから改めて嵐山光三郎著『文人悪食』の谷崎の項を読んでみた。というのは、本書にあった「谷崎はヌラヌラな食い物が好き」という記述がどうにも気になったからだ。コンニャクやトコロテン、バナナなどヌラヌラ、ドロドロしたものになぜ執着したのか。当時人気があった女優春川ますみのような豊満な女性の肉体賛美にもそれは連想されていく。著者の見解では食への異常な執着を谷崎のフェティシズム的な性的思考に結びつけているのも見逃せない。蛇足だがマゾヒズム画家の春川ナミオは、春川ますみを女王様のモチーフとして⇒2023/10/26

メタボン

32
☆☆☆☆ 谷崎の健啖家ぶりに感心することしきり。最後まで食いしん坊だったんだな。美食だけでなく、食のグロテスクな部分、エロティックな部分まで表現してしまう谷崎はやはり凄い。たん熊北店、瓢亭、鳥居本、本店浜作、楼外楼、飛雲、神戸のレストランハイウェイ、マルジュウのソーセージ、フロインドリーブのパン、憧れの名店にいつか行ってみたい。2022/05/13

えも

19
食魔という言葉は辞書に載ってないそうですが、如何にも食通って感じの魯山人なんかと違い、食に通じてはいるもののガツガツした健啖家ぶりの大谷崎を表すのにピッタリですな■後書きにある「趣味は食魔です」なんてのも、ちょっと言ってみたくなります。2016/10/18

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