内容説明
「シンデレラはガラスの靴を履いていない」「ピノキオを飲み込んだのは体長一キロのサメだった」「眠れる森の美女は実年齢一一六歳の老婆」…。今や原作よりも身近なディズニー・クラシックスの数々。いかにして残酷で猟奇的な原作は夢と感動の物語に作りかえられたのか。「アメリカの民話」を作るために使われた魔法とは何か。ディズニー・ファンもアンチ派も驚愕すること間違いなし。魔法の裏側が明かされる。
目次
序章 ディズニー・マジックを知るには
第1章 白雪姫と七人のこびと―ゾンビと死体愛好者のロマンスはいかにして消毒されたのか
第2章 ピノキオ―ピノッキオを食べたのは体長1キロ、喘息持ちのサメだった!
第3章 シンデレラ―原作には登場しないガラスの靴と太った世話好き妖精
第4章 眠れる森の美女―116歳の老婆を愛する白馬の王子とは…
第5章 リトル・マーメイド―自由恋愛を楽しむヤンキー娘に作り変えられた人魚姫
第6章 美女と野獣―消えた意地悪な姉と、突如登場したマッチョな男
終章 魔法が生んだアメリカの民話
著者等紹介
有馬哲夫[アリマテツオ]
1953(昭和28)年生まれ。77年早稲田大学第一文学部卒業。84年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。93年ミズーリ州立大学客員教授。現在、早稲田大学社会科学部教授(メディア論)
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感想・レビュー
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mitei
264
原作がよく怖いと言われる昔話だけどここまでとは、、、改めてディズニーの功績はこういうグロテスクな話をオブラートにして誰でも映像美を楽しめる物語にしたのがすごい。当時の時代背景からは人が死ぬのは当たり前な現実の中から中々ハッピーな物語は生まれにくいものだと感じた。2020/05/20
海猫
81
残酷だったり猟奇的であったりする中世の童話を、ディズニーはいかに換骨奪胎し夢と感動のアニメーションに作り上げたのか?白雪姫、ピノキオ、シンデレラ、眠れる森の美女、人魚姫、美女と野獣など6作を解説。私はディズニー作品はトイ・ストーリー以降のCGアニメからハマったので、この本で取り上げている長編アニメーション群は見ていない。思い入れは無くても、元の童話のアクの強い部分には、素材としての魅力を感じた。ただし粗筋や表面的なテーマの比較に終始するので浅く食い足りないし、アニメ映画としての魅力はいまいち伝ってこない。2020/12/21
ユウユウ
38
ディズニーの魅力というか吸引力の理由がわかりやすく説明されています。よく昔話を歪めてよくないとか聞きましたが、そんなことはないのだなと。素直にディズニー映画観たくなった。最近の作品についても解説してみてほしい。2017/04/28
糸桜
24
[図書部 新書書評用]友達にも紹介されたことがあってとても気になっていたので読んでみました。とても面白かったしこの機会に読めて良かったです。新書は苦手ですがとても読みやすかったし、ディズニーのアニメーションは多くの人はどれかはみたことあると思うのでみんなが普段読まない新書の紹介としてはぴったりの一冊だったと思います。各章の構成も原作の説明、それからディズニーでは…という風になっていて分かりやすかったです。グリムやアンデルセンは一通り読んできたけど他の人の童話は全くなので読んでみたいです。2017/02/01
パーポ
14
恐ろしい原作に、ディズニーはどんな魔法をかけたのか?白雪姫、ピノキオ、シンデレラなど、ディズニーのアニメ映画たちの原作となる童話を紹介した後、そこから何を変えて、世に新たな作品として出したのかが分かりやすく解説されている。その時代ごとにヒロインのキャラクター性も変わってきているのが面白い!また、シンデレラがまさかの当時は失敗作扱いだったのがびっくり。ディズニーがかけた魔法の正体は、"愛"なのでしょうね。ディズニー版と原作版どちらも素晴らしい作品ですが、やっぱりディズニーに染められちゃったよ私。2020/10/08