ビューティフル・マインド―天才数学者の絶望と奇跡

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  • サイズ B6判/ページ数 595p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105415013
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0023

内容説明

ジョン・フォーブス・ナッシュ(1928~)―経済学、生物学、政治学など広い分野に多大な影響を及ぼした天才数学者。ゲーム理論、幾何学、解析学の幾多の定理、概念に名を残した異才…。だが、その男の半生は、嵐とみまごうほどの転変の連続だった。若き日の絶頂を境に、30年以上にわたって精神の病に苦しみ、「プリンストンの幽霊」と囁かれるほど見る影もなくした男が、ある日奇跡的な回復を遂げ、ついにはノーベル賞を受賞する―。過酷な運命と闘った実在の天才数学者の、数奇な運命をたどる感動のノンフィクション。ピュリッツァ賞(伝記部門)最終候補、全米批評家協会(伝記部門)大賞受賞、ほか受賞多数。

目次

第1部 ビューティフル・マインド
第2部 離れゆく生
第3部 ゆるゆると燃え出す火
第4部 失われた歳月
第5部 もっとも価値ある存在

著者等紹介

ナサー,シルヴィア[ナサー,シルヴィア][Nasar,Sylvia]
1947年ドイツのバイエルン生まれ。幼少時にアメリカに渡り、その後ニューヨーク、ワシントンDC、トルコのアンカラなどで育つ。カリフォルニア州にあるアンティオク大学文学部卒業後、エコノミストとしてシンクタンクなどで働くが、その後大学に戻りニューヨーク大学経済学部で修士課程を修了、ジャーナリストとして活動を始める。「ニューヨーク・タイムズ」の記者として、経済記事を担当していた1994年、ノーベル経済学賞の取材を通じてジョン・F・ナッシュと知り合う。以後4年の歳月を費やして取材を続け、『ビューティフル・マインド』を執筆。現在はコロンビア大学ジャーナリスト学科で教鞭を執る傍ら、「二十世紀の偉大な経済学者たち」についての次作を執筆するという多忙な日々を送る。ニューヨーク在住、三児の母
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

87
《墜落したイカロスの再生》(1)1994年、経済学に画期的転回をもたらした「ナッシュ均衡」などゲーム理論における研究成果によりノーベル経済学賞を授与されたジョン・ナッシュの一代記。20歳そこそこの大学院生のとき先に見た偉業を打ち立て、その他の数学における成果と併せて周囲から絶大な期待を寄せられていた彼は、その後「統合失調症」 を発病します。長い闘病生活の末、少しずつではあるが奇跡の回復を遂げたナッシュは66歳にして先に見た人類最高の栄誉を手にするに至るのです。(1/5) 2023/11/13

Kiyoshi Utsugi

39
この本を原作とした同名の映画の方が有名(第74回アカデミー賞作品賞を受賞)かもしれません。 主人公は1994年にノーベル経済学賞を受賞した天才数学者であるジョン・ナッシュを主人公としたもの。 1928年に生まれて、2015年に交通事故で亡くなっているのですが、本書はノーベル経済学賞を受賞するところまでの波乱万丈の人生を描いています。 ナッシュ均衡はナッシュが20代の時の成果。 その後、精神分裂症になってから、それを克服してノーベル経済学賞を受賞するまでの間の話が個人的には面白かったです。2022/05/09

やまはるか

15
米の数学者ジョン・フォース・ナッシュを描いた表題のアカデミー賞映画の原作。精神分裂病(統合失調症)で30年以上入退院を繰り返し、40年前に書いたゲーム理論で1994年ノーベル経済学賞を受賞した。ナッシュの病歴に不安を抱く選考委員の反対の中で、業績をたたえることがノーベル賞の使命と考える委員の奮闘で決定する。ナッシュは離婚した元妻、父と同じ病気で苦しむ次男の三人で暮し賞金は住宅ローンに半分に相当した。受賞により寛解は確かなものとなり平穏な研究生活を後押しする。ノーベル賞👏選考経過は50年間非公開とされる。2022/09/27

tom

10
数学者ナッシュの伝記。映画がとても感動的だったので借りてきた本。天才であることは確かだけれど、日常生活は傲岸不遜、お友達には絶対にしたくないようなキャラクター。そういう人が統合失調症になってしまった。でも、誰も見捨てない。きっと、どこかに、とても魅力的なところがあったのだと思う。そうして、30年ほど経過して症状が軽減、ノーベル賞受賞となる。ナッシュは、これでキャッシュカードが作れると喜び、賞金の半分は住宅ローンの返済に充当。なにやら、切ないような話でもあるけれど、ナッシュは幸せ者なんだろうなあ。2014/09/22

okyada

8
映画も良かったけど、原作は事実としての数学、研究者、天才、同性愛、精神病、ノーベル賞選考過程など、さまざまなテーマが詰め込まれた濃い内容で非常に面白かった。早熟ですごい発表をした人だと思っていたら、数学者の旬は30歳までと考えられているという記述に驚き、さらに近年も業績をあげたいと努力している本人の真摯な姿勢に感動。また、コンピュータやプログラミングに関わる流れも、大変興味深くて感銘を受けた。ノーベル経済学賞受賞のドタバタの秘話は、筆者の取材能力の高さと、それによるこの本全体の内容の深さを表していると思う2011/03/03

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