号泣する準備はできていた

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103808060
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

大丈夫、きっと切り抜けるだろう。―体も心も満ち足りていた激しい恋に突然訪れた破局、その哀しみを乗り越えてゆくよすがを甘美に伝える表題作、昔の恋人と一つの部屋で過ごす時間の危うさを切り取る「手」、17歳のほろ苦い恋の思い出を振り返る「じゃこじゃこのビスケット」など、詩のように美しく、光を帯びた文章が描く、繊細な12の短篇。

著者等紹介

江国香織[エクニカオリ]
1964年東京生まれ。87年「草之丞の話」で毎日新聞社主催の「小さな童話」大賞を受賞。89年「409ラドクリフ」で第1回フェミナ賞を受賞。『こうばしい日々』で91年産経児童出版文化賞、92年坪田譲治文学賞を受賞。同年『きらきらひかる』で紫式部文学賞を受賞。2002年「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

190
個々にほろりとされる短編集である。男女間の微妙な距離をうまく描いてはいるが、少し淡々とし過ぎな感じ。2010/06/02

里季

84
【直木賞受賞作】短編12編。その中の一つが表題作。どの話も女性の微妙な感覚をストンと言い表していてうなずける。繊細で弱い、でも頑固で強い、幸せの中でいながら泣いている心、そんなものを一貫して書いている。ここが江國さんの上手いところだなと思う。「号泣する準備はできていた」とてもよくわかる。ふとした瞬間、来たるべき悪い出来事を予感するときがあり、その時に心の中にしっかりと号泣する準備をすることができる。女はそういう生き物かもしれない。(イベント参加)2014/02/19

R

81
読み終わって、なんか嫌な気持ちが残ってしまうような、暗い印象を残す物語でした。短編でそれぞれ関係のない話なんだけども、得体の知れない不安というか、何も考えずに生きていることを苛まれるような感覚を覚える内容で、どうにも好きになれない。それが強く残るのだから、読書体験としては面白いというべきなんだろうけど、なんとも嫌な気持ちになってしまう物語に読めて仕方なかった。苦手だ。2020/11/03

みも

75
直木賞受賞作と聞いてもピンとこないが、芥川賞受賞作という事なら腑に落ちるかもしれない、つまりエンタメ性は微塵もなく、純文学的センテンスが煌めく作品集。本短編集を可とするか否とするかは、年代や読者の現況に依拠する気がする。現在の混沌とする世界情勢を鑑みると、なんと些末な事を大仰に描いたのかと醒めるところもあるが、平和を享受する日本人には共感も得やすいのだろうと推察する。『住宅地』は複数の主眼で綴られ、幸せの実態を垣間見る気がして良かった。また『そこなう』では、男と女の感覚的相違を端的に表現していて得心した。2022/05/07

佳蓮☆道央民

73
★★★☆☆今年初の読了本。うーん。難しかった。江國さんの作品は好きだけど、これはちょっとな。分かる所と分からない差が大きかった。12個の短編集。うーん。しばらく江國さんの作品は、良いかな。直木賞受賞作なのか。なんかそんな感じがしないな。兎に角難しかったです。次は、もうちょっと面白い作品を読みたいです。2016/01/06

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