内容説明
コンピュータ会社に勤める三人の重役候補は、社長の発案で、雪山登山のサバイバル訓練に参加することになった。このテストにパスすれば、新設の重要ポストを手中にできるかもしれない。はやり立つ三人は、社長、二人のガイド、ほか三人のメンバーとともに出発する。が、彼らを待っていたのは、想像を絶する苛酷な試練だった…。極限状況の人間心理を鋭くえぐる、異色の企業小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
円盤人
4
『100冊の徹夜本』の一冊。剛腕社長から登山に誘われた3人の重役は、次期責任者のポストを巡りツアーに参加するが、想像を絶する不幸が待っていて……という物語。あらすじだと「企業小説」だが間違いなく冒険小説である。主人公の「わたし」が過去を振り返る構成で、悲惨な結末に終わることを匂わせるが、誰が亡くなるなどと明示しないのでハラハラ読み進められる。手違いの連鎖ぶりなど、実際の遭難事故のドキュメントを読んでいるかのようだ。助かってもしばらく緊張が解けないなど、極限状態での心理描写に抜群のリアリティがあるのも良い。2022/11/17
yamakujira
3
社長に誘われて登山ツアーに参加したレイと同行者たち。登山ツアーといっても自己開発セミナーみたいなのがアメリカらしいね。困難なルートではないはずなのに、アクシデントと天候急変が悲劇を招く。あちこちに違和感を感じる人々の発言や行動原理、そして結末も、こういうのがアメリカっぽいんだろうな。 (★★★☆☆)2014/05/07
けいちゃっぷ
3
珍しく12月に積雪があったし、この季節にピッタリかとセレクトしたが思いの外時間がかかった。 山好きのワンマン社長が3人の重役候補に登山の同行を打診。 それが重役へのサバイバルと思い3人は承諾するが、彼らを待っていたのは想像を絶する過酷な試練だった。 「出発」「登攀」「下山」の3部に分かれているが、「登攀」までは読みにくくてまいったぜ。 山は登ったら降りなくてはならないから大変だねえ。 394ページ2012/12/15
つちのこ
0
新潮文庫版。1988年頃読了。