新潮文庫
ブラックサンデー (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 548p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102167014
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1月12日の日曜日、スーパー・ボウルが行われる競技場を、大統領と8万人の観客もろとも爆破する―米政府の対イスラエル武器供与に報復するため、パレスチナ・ゲリラ『黒い九月』は想像を絶する方法による無差別テロを計画した。情報をキャッチしたイスラエル秘密諜報機関とFBIは、全力を挙げてこれに立ち向う。恐るべき迫力と現実感で読者に迫る、超大型のスパイ小説。

著者等紹介

ハリス,トマス[ハリス,トマス][Harris,Thomas]
テネシー州生れ。ベイラー大学卒業。「ニューズ・トリビューン」紙記者、AP通信社デスクを経て1975年、『ブラックサンデー』で作家デビュー

宇野利泰[ウノトシヤス]
1909‐1997。東京帝国大学独文科卒。戦後探偵小説を中心に翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

320
スケール感に富み、臨場感に溢れた、上質でスリリングなエンターテインメント小説。巻末に参考文献が付されていないが、おそらくは膨大な資料を駆使して書かれたものと思われる。モサド、アラブ・ゲリラ、リビア、イスラエル、FBIをはじめとしたソフト面、そして飛行船やプラスティック爆弾といったハード面の双方を固めることでリアリティを確保している。また、テロリストとそれを追う者たちの双方の視点から交互に描くことで、一層スリリングな展開となった。なお、執筆当初から映画化が企図されていたと思われ、表現は良くも悪くも映画的だ。2016/01/07

Kircheis

306
★★★★☆ 『羊たちの沈黙』で有名なトマス・ハリスのデビュー作。 ベトナム戦争帰りのアメリカ人ランダーがアラブ過激派に手を貸して大量殺戮テロを計画するが、モサドの将校カバコフがこのテロを未然に防ぐためやって来る。 やや展開がもっさりしているのは否めないが、WTCへの自爆テロの約40年前に書かれた作品とは思えないほどの緊迫感が漂っている。 テロ側もそれを阻止する側も人物像がきめ細かく描写されているのは素晴らしいが、だからこそラストの呆気なさが物足りない。 これ、どちら側も勝者ではないように思える…2022/07/05

こーた

219
アラブ系ゲリラによる空からの襲来。いま読めばどうしたって9.11を彷彿させる。が、書かれたのはそれよりもはるか以前だ。というより、このスパイ小説を読めば、なぜあの未曾有のテロ事件は起きたのか、その背景みたいなものが、薄ぼんやりとはいえわかるような気がする。パクスアメリカーナなどと云って世界中の紛争に首を突っ込んできたツケだ。おもわずテロリストに肩入れしてしまうほど、双方の内面と駆け引きを描いて読ませる。実行犯はアメリカ人、立ち向かうのはイスラエルの諜報部員で、おなじみFBIはあくまで脇役、というのもいい。2021/01/07

遥かなる想い

210
1975年刊行の作品である。 イスラエルとパレスチナの対立を背景に アメリカン・フットボール会場爆破を 巡る攻防を描く。設定は定番だが、 テロリストたちの人物造形が骨太で、 物語に引き込まれる。 ダーリア、ランダー そして カバコフ… 個々の人生は骨太で哀しい。2018/06/20

absinthe

184
犯人側にかなり感情移入した作風のトマスハリスのテロリスト譚。飛行船でアリーナを爆撃しようとするテロリストと阻止しようとするモサド。米国が続けるイスラエルへの武器援助や弱い国への一方的な攻撃がテーマとなる。重い。悩みもあり恋もあり、傷つきそれでも働き続ける。犯人側も異常な思想に駆られた狂信者には見えず、むしろ最高の仕事をしようと努力を続ける人間味あふれる普通の人。それが少しでも犠牲者を増やせるように淡々と計算を重ねていく。この怖さ。2021/06/21

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