出版社内容情報
天才ホームズ、事件を解決できず!? ホームズを翻弄する聡明な女性アイリーン・アドラーが登場する「ボヘミアの醜聞」など10編を収録。
ロンドンにまき起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズは、その怜悧な推理と魅力的な個性で読者を魅了する。近代探偵小説を確立したホームズ物語の第一短編集。赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う「赤髪組合」、乞食を三日やったらやめられない話「唇の捩れた男」など10編。意表をつく事件の展開、軽妙なユーモアがあふれる作品集である。
内容説明
ロンドンにまき起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズは、その怜悧な推理と魅力的な個性で読者を魅了する。近代探偵小説を確立したホームズ物語の第一短編集。赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う『赤髪組合』、乞食を三日やったらやめられない話『唇の捩れた男』など10編。意表をつく事件の展開、軽妙なユーモアがあふれる作品集である。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
374
小学生の頃赤い文庫サイズの少年少女向け文庫で読んで以来。大人になって新潮文庫では初読。結構覚えてたしやっぱおもしろい。この辺の話はモチーフとして知っておかなきゃ。訳も読みやすい!イギリスロンドンベーカー街、馬車、レンガの街並み、情緒あります。事件は結構陰惨。親が子供を不幸にする、結婚が上手くいかないとか切ない話が多い。ホームズがやたらワトソンを好きなのもなんだかニヤっとしちゃう(笑)。シリーズ読みます!「「君はただ眼で見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのでは大ちがいなんだぜ。(後略)」」2020/03/08
Tetchy
359
いかな名作と云えど、やはりそれを読む時期というものがあって、本作も例外ではない。この『シャーロック・ホームズの冒険』はオールタイム・ベスト選出に必ず上位5作の内に入る逸品ではあるが、三十路を控えた我が身にはやはり幼少の頃のように純粋に愉しめたとは云えない。ホームズが依頼人の特徴を瞬時に捉えて職業を云い当てる件は、今読むと滑稽だし、ワトスンも医者の割には脳が足りないように見える。しかし、今の目で見ても収められている短編の内容はヴァラエティに富んでいる。2009/05/10
Die-Go
348
一人シャーロック・ホームズ祭り第4弾。再読。聖典。短編集だけにテンポよく物語は進む。ボヘミアの醜聞、まだらの紐が印象的だった。ビクトリア朝のイギリスの風土がよく現れている。★★★★☆2016/04/07
ヴェルナーの日記
345
ことわざに、『無くて七癖』とあるが、シャーロック・ホームズの癖を、ご存知だろうか? 実は本書に編まれている『赤髪組合』で、その一つが明かされている。海外ドラマ『SHERLOCK』のホームズ役・ベネディクト・カンバーバッチも、この癖を踏襲していて、思わずニヤリとしてしまった。ここでピーンときたお方は、紛れもない生粋のシャーロキアンといっても、お間違いありません。その癖とは、ホームズが考え事をしているとき、両手の指先を合わせることなのだ。もし可能であれば、是非とも今一度、『SHERLOCK』を、ご覧あれ!!2015/12/11
こーた
295
王侯貴族の醜聞から、失踪する花嫁花婿、さらには七面鳥の落し物まで。一見取るに足らない事件でも、名探偵の手にかかれば、たちどころに大冒険となる。赤毛の男は辞書を書き写し、密室ではまだらの紐が垂れ下がり、あの女(ひと)が探偵を魅惑する。記録役の助手は引っ張り出されて、嫌々なのかと思いきや、ノリノリでついていき、裏に隠された真相を目の当たりにして、探偵と一緒になって、はしゃぎ騒ぐ。でもそのおかげでぼくたちも、彼らの冒険の一部始終を読むことができるのだから、幸せだ。ホームズの推理が冴え渡る第一短編集。2018/12/20