新潮文庫<br> 母の肖像 (改版)

新潮文庫
母の肖像 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102099056
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

35
母国米国で生まれ生後3ヵ月で宣教師の父と母とともに中国に渡ってその地で育った著者のパール・バック。数十年間中国でキリスト教伝道をした宣教師の妻として故国から遠く離れて生活した実母(著者が飽く迄も透徹した愛情と理解の眼をもって観察して)を描く。家族を顧みず伝道のみに明け暮れる夫に満足できない母(ケアリ)の心の苦悩・葛藤が克明に綴られる。「子供たちこそ私の最大のロマンスだ」と昂然と言い放ち、希望と夢を子供に託し、清教徒の血を引きながらもどうしても神の御心を信じ切れなかった母の宗教的な苦悩と悲惨な中国の↓2014/04/27

なにょう

17
これは面白い。バックの半端ではない中国への理解は何処からきたのか。神との約束を実現しようと中国に骨を埋める決意をした両親がいたからこそなのだ。★その母は神に祈りを捧げるだけでは飽き足らなかった。飢えに病に孤独に苦しむ、肌の白いの黄色いの問わず、老いも若きも、あらゆる人々に救いの手を差し伸べるのであった。その姿こそ、トルストイ『神父セルギイ』に出てくる、日常の些事に追われながらも知らず知らずのうちに沢山の人を救ったパーシェンカではあるまいか。この母にしてこの子あり。さあ、勇気を持って現実に向き合おう。2017/07/13

NAO

11
アメリカで生まれ、3ヶ月で父の伝道先中国に渡り、その地で育ったパール・バック。家庭を顧みない夫との生活に満足できないケアリの苦悩や葛藤が克明につづられている。伝道することこそが生きがいで、宣教師である自分に満足している理想主義者の夫と、神を信じきれずに苦しみながらも愛にあふれていたケアリ。いったい、どちらが神に近かったのだろう。2015/05/10

本の虫・・・になりたい

4
牧師と結婚し中国大陸で後半生を過ごしたケアリー。その持ち前の明るさと明晰さと、そして同胞に対する愛情を持ち続けた素晴らしい女性が主人公の物語です。著者パール・バックの実母の思いでであり、キリスト教信仰の書としても価値のある一冊。ケアリーは数奇な運命のもと、求め続けて得られなかった神からの「しるし」を、その最後の時に与えられたと信じます。2012/01/29

まさ

3
面白かったです。 何とも凄い母親がいるものですね。 只管、神に捧げる父と、どこまでも子供のために生きる母親。祈っているだけでは子供は育たないし、誰も幸せにならない。という事ですね。2020/10/22

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