新潮文庫<br> ロレンス短編集 (新版)

新潮文庫
ロレンス短編集 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 509p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102070130
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ロレンスは大胆かつ露骨な性表現と精妙な心理描写で、1920年代から広く人気を博した。狂人となったかつての恋人と再会した妻を問い詰める夫…「薔薇園の影」、いつまでも帰らぬ夫を怒りながら待つ妻…「菊の香」、ちょっとしたことから、健全な選択の可能性に気付く乙女…「二番手がいちばん」等、これぞロレンスという世界を一冊に凝縮した精選の13短編。懇切丁寧な作品解説・年譜・訳注付。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mt

31
チャタレイ裁判で有名になったロレンスは、様々な性描写が溢れている今日の小説を見て苦笑いしているかも知れない。「チャタレイ夫人の恋人」に官能小説のレッテルを貼られたのは気の毒だったが、本編では違った意味の官能を見せている。ロレンスが描く官能は、男女間のものだけに止まらず、心のひだに触れる感覚を生々しく表現することでもあるようだ。差別的と取られそうでここに引用しずらい、性とは別個の官能表現があるのだが、性描写を含めた斬新な感覚的な描写を、一世紀も前に、ごく自然に表現し得たのがロレンスであったのだろう。2015/09/21

A.T

16
ロレンスの前期、中期、後期のそれぞれの作風が満遍なく読めるセレクト(翻訳 上田和夫さんのあとがきより)の13編。最後の長編作品「チャタレイ夫人の恋人」と同時期に書かれた「太陽」、第一次大戦中に書かれた中期の作品「博労の娘」の肉体と精神のバランスが微妙に揺れ動く描写が微に入り細に入る。あまりにあけすけなので、文豪T.S.エリオットから無能者扱いをされたらしいが、そこまでされても我が道を追求する探求者ロレンスの瑞々しいエッセンスを感じられた。2017/06/18

ぺったらぺたら子 

6
マンスフィールド読んだので「微笑」のみ再読。不倫が止まらぬ夫と言えば悪と勝手に決められているがものには原因や理由というものがある。さて修道院で死んだ妻を訪れた夫。妻は死して尚、彼に復讐を挑む。それは皮肉極まりない「厳粛な哀しい場で半笑いにさせる刑」なのであった!そしてそれはまた、不実な夫への赦しとも言え、また皮肉な作風を得意とする作家の最後っ屁でもあった。「俺の罪は俺の罪ぢゃ。赦してなんかいらんわい」と逆らう夫。死しても愛の元に夫を屈服させずにはおかない妻。私は「回想のブライズへッド」の母子関係を想った。2017/08/24

空飛び猫

6
夫婦、恋人… 男女の触れ合い、すれ違い2016/05/15

さき

2
『白い靴下』『イギリスよ、わがイギリスよ』『盲目の男』『乗車券を拝見』『太陽』 『木馬の勝ち馬』が個人的に大変気に入った。あらためて上手い作家だと思う。 ★★★★★2016/01/01

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