内容説明
源義経は「判官びいき」に代表されるように、母・常盤御前との生き別れや、兄である頼朝との確執など、その生涯が常に悲劇として描かれた。が、中丸流に史料のウラ側を眺めれば「こいつはただの寿毛平な男じゃないか」という結論になる。事実、彼は出っ歯で赤毛、色白の小男でカッコよくないという。そんな義経の素顔を求め、大胆な推理と解釈を加えて講談調に仕立てた、爆笑の一代記。
目次
源氏と平氏は百姓武士の代弁者
清盛の思惑外れる
藤原氏黄金時代を目の当たりに
義経、京へ颯爽登場
義経・頼朝兄弟の仲違い
打倒・頼朝をたくらんだ源義仲
ついに平家との対決へ
義経人気に手を焼く頼朝
壇の浦で潮流を読み合う両軍
勝利後のすさまじい「肉弾戦」
頼朝追討、義経追討の宣旨
兄弟対決は平泉で幕切れに
著者等紹介
中丸明[ナカマルアキラ]
1941(昭和16)年ソウル生れ。同志社大学卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に。’68年より毎年スペインに滞在する。『京城まで』で日本旅行記賞を受賞。ヨーロッパの歴史、とりわけスペインの歴史と文化に通じており、名古屋弁を駆使した独特の解説は人気が高い
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感想・レビュー
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GO-FEET
4
◆「ギケイキ③」読了後、勢いで手に取った一冊。 ◆これが著者の特徴らしいのだが、個人的には時折現れる〈名古屋弁〉を上手く変換できなくて残念…… ◆で、思ったのは、町田康の〈関西弁〉も関西以外の読者にはハードルが高いのかも知れないということ。 2024/02/04
木枯竹斎
1
中丸明さんといえばスペイン物では大変お世話になっていたが日本版では?予想通り名古屋弁に九州言葉をチャンポンして歴史は夜作られるをもっと踏み込み下ネタにて作られるを全面に出した源平盛衰記。それなりに史実を踏んだ解釈でなるほどなと思う。と言っても史実探究派には???、色道禁秘抄、壇の浦夜合戦記など色ものを楽しんで引用している。あっ!中丸さんは、典故豊かな文人が裏稼業では春本を物する江戸戯作者に憧れていたのかと思い至るも、既に鬼籍となった今では聞く由もなし、残念。2014/08/23
みっく
0
義経の話は読みたいけれどタイトルが…と思いつつ読んだら予想通りだった。講談調といいつつも少しふざけすぎではと感じた。2010/09/19
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