新潮文庫<br> アクアリウム

新潮文庫
アクアリウム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101484112
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

長谷川正人は遭難したダイビング仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った。そこは水没した鐘乳洞で、中は迷路のようだった。自分の位置を見失ってしまった正人は死を覚悟するが、突如現れた「彼女」に導かれ、奇跡的に生還した。あれは幻覚だったのか?それとも―正人は「彼女」の姿を求めて再び水底へと向かう。だが、そこで見たものは…。新感覚のサスペンス・ファンタジー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

329
未確認生物アクティはあくまでも一連の環境問題の核であり、物語の重要なモチーフではあるものの、主題を背負うものではない。ここには、篠田節子さんがかつては公務員であったことや、登山の経験などがふんだんに活かされていて、その意味でも興味深い。もちろん、後段の〇〇製造と材料入手のあたりは、これも彼女得意のお勉強の成果だろう。孤独なテロリスト、正人はあまり読者の共感を得られそうにもないが、その造形は実に周到になされている。また、環境問題をめぐる、それぞれの人物たちの思惑を暴露的に描くところは、ややステレオタイプか。2018/01/23

kaizen@名古屋de朝活読書会

59
斜に構えた篠田節子らしい作品。 山の中の地中湖に生きるイルカ(?)。 開発と自然保護運動の癒着。 本当は、ああもしたい、こうもしたいという思いがありながら、発行禁止にならないぎりぎりのところで思いとどまった感がある。 主人公が公務員というところも元公務員の篠田節子らしい。反対運動の現地の伊丹という女性が著者の影なのかもしれない。 最初に「株式会社スコラ」というところから出ている。講談社の企画子会社的なものだろうか。 出版社はつぶれても、作品は残る。残った作品に編集部の迷いが残ったままのような気がする。2013/04/25

takaC

57
閉塞感は好きなんだけど、いろんな人のエゴイズムに展開していく後半が嫌い。気分的・季節的に楽しく読める時期は限られるかも。2015/07/03

momogaga

27
積読解消。篠田作品初完読。何度か挫折していたが、今回一気に3日間で読了。さまざまな読み方ができる小説だ。私は「カウンターカルチャー 」と理解した。2016/01/30

海月

13
物語前半で描かれる謎の洞窟性生物との交流は幻想的で良かった。世界のどこかに、こんな生物がいるかもしれない、と想像する楽しさを味わわせてくれました。でも、後半の主人公の暴走ぶりは共感できないし、かなり唐突な感じがしました。もっと、主人公の心情を書き込んで欲しかったですね。2013/05/02

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