内容説明
ぼくはすごく不幸な少年・青年時代を送ってきた。親や先生の「いい子」だったぼくは「自殺してはならない」と自分に言い聞かせ、強く生きようと決意し、長い間、修行してきた。そして、30年間「なぜ生きるのか?」と悩んで見出したのは、「そのことを知るために生きるのだ」という回答だった。自らの苦い経験を振りかえりながら、いま不器用に生きるすべての読者に捧ぐ、「生き方」の訓練。
目次
はじめに ぼくはいかにして「強く」なったか
1 どんなことがあっても自殺してはならない April
2 親を捨てる May
3 なるべくひとの期待にそむく June
4 怒る技術を体得する July
5 ひとに「迷惑をかける」訓練をする August
6 自己中心主義を磨きあげる September
7 幸福を求めることを断念する October
8 自分はいつも「正しくない」ことを自覚する November
9 まもなくきみは広大な宇宙のただ中で死ぬ December
あとがきに代えて 三〇年前の自分へのメッセージ
著者等紹介
中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946(昭和21)年福岡県生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了。哲学博士。電気通信大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てち
110
かなり良かった。少し主張が極端だが、共感できる部分は多々あった。また人生に疲れた時に読み返したい。 悩める子羊たちよ、これを読んだら少しは君たちも気が楽になるかもよ。2021/10/15
いつでも母さん
106
【再読】久し振りにというか、10年以上ぶりに読んだ。少し陽に焼けていた・・『あとがきに代えて 三〇年前の自分へのメッセージ』が響く。きっとこの先また読むだろう。何年先かはわからないが・・『なぜ生きる?それを知るために生きるのだ』その時も多分それを納得するのだろう。そして、また、あとがきに代えてを噛みしめるのだ。その時、私は私を誇りに思えるだろうか・・2016/03/31
ナマアタタカイカタタタキキ
39
率直に、若い頃に読んでたらもっと響いたのかな、と。色々経てマジョリティに受け入れられやすい心身へと変わった今、昔に比べて幸せになったのか、鈍感になったのか、適応できるようになったのか、割り切れるようになったのか、それら全てなのか。自意識過剰で生身のまま生きていた頃の自分が懐かしく思えたり、そうでなくなってしまったことに何となく寂しさを覚えたり。それでも、そんな自分が過去にいた、ということさえ忘れなければ、まあいいのかな。2023/03/29
ふ~@豆板醤
37
弱さと向き合ってみた後強くなるのも弱いままでいるのも正しい、という本。結局は強くなる前の自分(弱い人)に宛てていた訳だけど、手紙形式だから難しいメッセージでも入ってきやすかった。マジョリティに同調し「いい子」でい続け自分を見失っていた過去を経て、弱さを克服し強い自己中心主義を貫けるようになったというエピソードも参考になる‥?!「「みんな仲良し主義」の細菌」「人生の理不尽に立ち向かっていこう。安易に納得することを徹底的に拒否しよう」 2016/09/10
扉のこちら側
30
初読。自殺してはならないと自分に言い聞かせ生きてきたという著者。なぜ生きるのかという問い。マジョリティによる社会の見方は納得。2013/01/19