内容説明
「敵を打ち倒すために大事なことは、武略・計略・調略。それ以外のなにものも不要じゃ」―。元就の卓越した知将としての策略は忍びの者を遣った情報戦、敵の裏をかく合戦陣形、謀略を駆使した政治にあらわれた。下剋上の戦国期に小豪族から身を興し、宿敵陶氏、大友氏、尼子氏らとの激闘の彼方に西国平定の野望を見据えた稀代の猛将毛利元就を描いて、その意外な素顔に迫った長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
14
久しぶりに再読した。初めて読んだのはおそらく大学時代だろうな~(笑)毛利元就の小説は好きですね(笑)毛利の両川となる吉川、小早川の乗っ取りや厳島合戦、その後の尼子、大友との戦いなど良いです(笑)2012/03/27
木賊
9
毛利元就の伝記小説。智将・毛利元就の人生が冷静な視点で描かれる。僅か300ページだが情報量は多く、読み応えあり(その分ちょっと難しくもある)。策略家ぶりが格好良いし、淡々とした筆致の中に織り込まれた静かな感情描写もまた良い。初陣は遅いが、以降75歳で死ぬまで戦に次ぐ戦で、両川の話や厳島合戦の話など、後年の悔恨まで含めて好き。2014/06/17
ひこまる
9
約300ページとそれほどの枚数ではないのに元就の生涯が濃厚に描かれており、大げさな表現はなく淡々としているが文章が明快、元就を始め登場人物それぞれの心理描写が大変巧みであり、毛利元就の事績を辿るのにはまさに最適の一冊だと思う。しかしこの小説を読んで改めて気づいたが、元就って一族郎党の粛清というのが意外と多いのだな。2012/12/02
高橋 橘苑
5
小説とはいえ、かなり毛利元就に対する見方が変わった。厳島神社の神域を犯すことに躊躇いと後悔を持っていたのか。月山冨田城落城の際、なぜあのような中途半端な処置を採ったのだろうか。最晩年は怨霊に悩んでいたとなれば、この峻厳ともいえる人物も日本的思考を充分持ち合わせていたことになる。亡くなる少し前に花見の宴を開いているのが、この英雄の大いなるはなむけになっている。毛利元就は、老齢で子を設けたりと相当なエネルギーと才覚の持ち主であるが、日本的美意識を持つ英雄の一つの可能性を示してくれる。2013/09/22
ホームズ
5
毛利元就の小説は好きですね(笑)毛利の両川となる吉川、小早川の乗っ取りや厳島合戦、その後の尼子、大友との戦いなど良いです(笑)