内容説明
カヌーに乗ると視点は水面上50から80センチ、今まで見えなかったものが視界に入ってくる。―ユーコンの大いなる流れとヘラジカや熊、川を下る若者たちの眼差し。一方、優しい自然に恵まれながら、毎年のように護岸工事がなされ、様相が一変する日本の河川、そして、その川に背を向けて暮らし始めた人々。川に遊ぶ人・野田知佑が時に怒り、時に笑いながら語る水平面エッセイ。
目次
タヒチでは“娑婆”を思い出してはいけない
トレイシー・ダルピーがアメリカに帰った
“正しい日本の秋”を千曲川で満喫した
初冬の筑後川は枯葉の香ばしい勾いがした
プライバシーを守るには、東京が一番いい
カヌーで、信濃川を下らずに遡行した
岡田昇は、最高の“カヌー・エンジン”である〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
58
【再読】2022年は野田知佑まつりを開催中。1986年春から87年秋までを時系列で綴るエッセイなので、『北極海へ』など他の著書とネタが重複する部分もあるが、野田節を読むのはやはり楽しい。亀山湖を離れる経緯も語られた。借家の家主とのいざこざが原因……観光俗化で擦れていく地元民の姿があぶり出されて悲しい。しかし、そんなことにめげない著者は、定住を好む農耕民族ではなく、狩猟民族なんだなぁ、と思う。キャンプに持って行って雨に濡れた跡がくっきり残っていて、とても懐かしい本だ。2022/02/02
たーくん
3
カヌーに乗ると視点は水面上50から80センチ、今まで見えなかったものが視界に入ってくる。―ユーコンの大いなる流れとヘラジカや熊、川を下る若者たちの眼差し。一方、優しい自然に恵まれながら、毎年のように護岸工事がなされ、様相が一変する日本の河川、そして、その川に背を向けて暮らし始めた人々。川に遊ぶ人・野田知佑が時に怒り、時に笑いながら語る水平面エッセイ。 2017/06/11
Satoshi
2
バブル景気の中で書かれたカヌーによる川下りのエッセイ。河川工事とダム建設に対する批判は相変わらずだが、自然への敬愛が無いレジャーへの厳しい意見には身につまされるものがあった。私も子供とキャンプに行くが、著者のような心持ちでアウトドアを体感していない。2017/05/28
repemon
1
ホワイトホース在住の友人から譲り受けた。丁度、ユーコン川下りを考えていたので読ませてもらった。川下りの様子が想像できて楽しかったが、30年ほど前の話なのかと驚いた。WHの友人に話をすると、川下りで有名な人らしく、現地の日本人ほとんどが知っているようだった。友人の家にあったカヌー雑誌にも本人の連載があって、現役なんだなと驚いた。ところどころの環境に対する意見に胸が痛い。 2015/05/22
s
0
ガクが出ているシーンが好きです。一枚の綺麗な絵だとおもいました。