新潮文庫<br> のんびり行こうぜ―こぎおろしエッセイ

新潮文庫
のんびり行こうぜ―こぎおろしエッセイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101410036
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

千葉県の亀山湖のほとりに住み、カヌーを漕ぎ、湖に潜り、魚を獲り、捕まえた魚は食べ、夜は酒を飲んで眠る。余分なものを削り取った暮しの中で、季節ごとにその姿を変える亀山湖を見つめ、椎名誠ら、訪れる友人たちと交わり、そして川が削られ、湖が汚されていくことに怒る―1984年の秋から1年半の生活をカヌーイストにしてエッセイストの野田知佑が綴ったエッセイ。

目次

1984 Autumn(なぜ今、亀山湖かというと;子犬と子供を乗せて千曲川を下った;汚染が進んでいるという琵琶湖に潜った;晴れた日には仕事が進まない;ふる里の川を下って、少年時代へトリップ ほか)
1985 Winter(冬休みには、保父さんになって少年と遊んだ;カナダ・インディアンとエスキモーからのたより;魚が可哀そうなら、釣りなんて止めろ!;座敷のテントから外に這い出てみた;南の国からシーカヤックのベテランが来る ほか)
1985 Spring(春になって、食卓がにぎやかになってきた;冬の間、不気嫌だった山や湖が生き生きと笑い出してくる;野田合宿に千客万来、山際淳司や椎名誠一家 ほか)
1985 Summer(ポールを追って新潟に行く;色々な問題を経て、丸太小屋がオープンした;テレビの取材で利根川を“キセル”川下りした;日本のライフベストは改善する必要がある;日本の軟弱都市化の被害者は子供と犬だ ほか)
1985 Autumn(ポール・カフィンの日本一周の祝賀会をやる;菊水丸太村に“生身のガイジン”を送りこんだ;小川で雑魚をすくうと秋だった;国体に出るには、カヌーがいちばんの早道だ;球磨川流域では水やお茶といって焼酎が出る ほか)
1986 Winter(野村の爺さんの待つ四万十川を下る;元日は風速20mの海上で歌を歌っていた;『キャメル・トロフィー』日本代表の海外トレーニングを見て来た ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

54
【再読】昭和61年に上梓された本。奥付は平成2年。1984年秋から86年冬までの著者の日常を綴る。日本の河川行政や、海・川の司法警察行政への痛烈な批判をこき下ろすエッセイでもある。そこには事なかれ主義に対する批判があり、批判されているのは行政だけでなく、その時代の大人たちでもあった。最終章にはキャメル・トロフィーに関する話もあり、四駆に乗っていた自分としては、著者の幅広い行動に感心するとともに、懐かしく読めた。ガクを放し飼いにできない亀山湖周辺のことが書かれ、そこを去る遠因になったんだろうと残念に思った。2022/01/18

たか

44
日本を代表するカヌーイストのエッセイ。自然に近づいて、自然と交わることによって、楽しく自然保護や環境問題を考えさせてくれる。 また、忙しい毎日を送る現代人に、自分らしく生きるとは何か、についても考えさせてくれる。 椎名親子との交流も楽しい。 自分を見つめ直すときに読みたい本。C評価2019/08/25

花男

17
カヌーやってみたいが、自然にできる川が今では如何程あるのか。2022/07/07

りょうけん

6
☆4つ 1984年から86年にかけて書かれたエッセイである。その頃わたしは会社に入って3年目から5年目に掛けてで、高度経済成長の頂点バブルに向かってとんでもなく仕事が忙しい日々であった。毎日日付が変わってからしか部屋へは戻れず、たまの休みも疲れ果ててしまってベッドで寝て過ごす、という状態だったと思う。 もしその頃にリアルタイムでこの本を読んでいたらいったいどうなっていただろうかと想像するとすこし楽しい。でもたぶん絶対に読まないだろうし、万一読んでも「なんだこのやろぉー、こっちは必死に仕事してんのにいい気な2013/09/01

SokoniSokoni

5
「日本ほど、犬と子供が惨めで不幸な国は世界にない」椎名明。 「ここでは人は自分一人で楽しむことができないといけない。それができない奴はみなノイローゼかアル中になって南に帰る」カナダ北極圏のインディアン。 それにつけても空の青さよ。2014/11/23

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