内容説明
李哲博と朴政道は民族学校からの親友。李はボクシング、朴はサッカーで名の知られた選手だったが、二十代半ばを迎え、挫折感を抱いたまま、ともに歌舞伎町のホテトルを経営していた。一攫千金を狙いポーカー賭博屋を開いた二人は、次々と事業を拡大。自分たちの夢を実現すべく、いわくつきのビル買収という大博打に乗り出す―。欲望の街・新宿を舞台にした、手に汗握る暗黒小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスターテリ―(飛雲)
37
新宿、歌舞伎町の裏社会を舞台に、韓国の同胞たちがしたたかに生きる姿が描かれる。金、女、暴力なんでもありで、ホテヘルから始まって、ゲーム喫茶の営業、ビルの乗っ取り・・まさにバブルに突入、日本中がみんなお金に浮かれていた時代。この作品を読むとその当時の光景が鮮やかに蘇ってくる。最後に大金を求めて大勝負に打ってでるが、その勝負の結果はどうなるか、是非この作品を読んでもらいたい。在日韓国人にとっては過酷な話もあり、日本人にとっては耳が痛い話もたくさんあるが、そんな本音を聞けるのも梁さんの作品の楽しみである。2022/02/11
K3
2
ヤンスギルらしいハチャメチャな展開。もの悲しさや虚しさがついてまわる。政道の失敗を恐れない生き方。見習いたい。2015/10/15
かにかま
1
一度成功したことから際限なく求めやばい相手に手を出して失敗した若者の話 在日韓国人の当時の状況については勉強になった2023/04/02