新潮文庫
吾妹子哀し

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  • サイズ 文庫判/ページ数 269p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101375045
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

アルツハイマー型認知症で、妻の杏子は記憶を喪いつつあった。失禁や徘徊を繰り返し、介護にあたる夫の圭介を当惑させるのだが、齢九十を前にした夫は、老いた妻の姿に、若い日の愛の想いを甦らせていた。…おれは何とこの女を愛していたことだろう。今も愛は生きている。自分の愛に責任を持たなければ―。実体験に基づく究極の夫婦愛を謳って、川端康成文学賞を受賞した名篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あいちょ。

6
普段、恋愛小説はあまり好まないにも関わらず、何故か買っていた1冊。 年を重ねてもここまで相手を想う事が出来るものかと、正直考えさせられた。2011/12/26

500mile

4
20年ちょっとしか生きていない僕にはこれが究極の夫婦愛だ、なんて言えない。考えるところがないわけではないが、それを言葉にするには人間としての経験値が足りなすぎる。どんなに悲痛なことを考えたところで、まだ死ぬわけじゃない、大丈夫だと今なら言える。でも親を失った時、自分が90歳近くになり長年連れ添ったまだ見ぬ最愛の人を失った時、死ぬということが身近になった時、僕は自立出来るのか不安になった。2012/10/27

なぎ

3
高齢化社会の今 避けられない老老介護 痴呆 老健施設に預けたままの家族食事摂取困難の老人にみやみにする胃瘻造設 どこまで本人は望んでいるのか医療を何処までしたらよいのか 難しい問題 この本はちゃめっ気あり 大変ながらも 愛に満ちあふれている仲良い夫婦愛が書かれている2012/04/12

とらのりぽん

3
極地の恋愛小説、と言うとお涙ちょうだいに聞こえるが、身を切られるような思いで読みました。記憶の中の愛に生きつつ、記憶のない愛を確かめつつ…。2009/06/21

7kichi

3
89歳の夫によるアルツハイマーを発症した妻への愛の記録。妻がトイレを上手に使うことが出来ない。嫁いだ長女が誰だか分からない。夫はそっと妻を抱き寄せ唇を合わす。美しいと思った。ご飯が軟らかく炊きすぎだ、味噌汁が薄すぎる、ビールが足りない、小遣いが少なすぎる、もうちょっと寝させてくれ、毎日、妻を罵倒している私(ホントか、おい)ですが、妻と永遠の愛を誓った遠いあの日を思い起こしたよ。2009/02/28

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