内容説明
知育偏重、能力主義がますます強まっていく教育の現状に強い危機感を持つ著者が、4人の仲間たちと「子どもに添う」教育の実現をめざして保育園を開設した。既成の教育の枠に囚われない新しい実験の中で接した子どもの素晴らしさ、若い保母たちの誠実な苦悩、障害児との心温まる交流などを、子どもの作文表現、保母たちの手記、多数の写真をまじえて綴った愛と感動のドキュメント。
目次
素晴らしき出会いから
手づくり保育園、産声をあげる
よく学びよく遊び
激浪の中、舳先を立てて
子どもを見つめる、自分を見つめる
Tくん、好きよ
いのちを食べる
動物たちがやってきた
苦悩の向うの世界はだれにも見えない
ぼく、ここの保育園好き
ピアノはじゃまかもしれない
ヨーイドンどこまでかけていくのかな
きよちゃんが泣くから泣きやもうね
言葉がポトリポトリと落ちていく
顔のはなしと新しい仲間
カミナリ、あっちへいけ
それぞれの夏、それぞれの人生
きよこちゃんの涙と笑い
ぞうさんのハナクソどこにあるの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
randa
2
再読。保育園のスタッフが、子供たちに寄り添う姿勢がとことん本気。子供とどこまでも対等な関係を目指して、子供の自然な能力を発揮させていく。そこには、いのちの優しさが溢れていて、こちらも温かい気持ちでいっぱい。自分のちからで積極的に行動する大切さを考えさせられる。行動あるのみ。2017/08/12
siomin
1
児童小説を中心に名作を上梓した著者が,保育園を立ち上げてみたらどうなったか。いちばん印象的なのは,「自由」「平等」を重視していること。こどもが成長するのはその通りだが,実は保母・保父も成長しており,共に成長する場が保育園なのでしょう。1980年頃の話なので古いといえば古い(「保母・保父」の表記など)けど,子へのまなざしは今でもつながるのでしょう。灰谷自身はその後離れたが,立ち上げた保育園は今でも存続しているのは心強い。2019/08/29
さいたまのたぬき
1
名著「兎の眼」でも有名な灰谷健次郎さんが実際に作った保育園の 日記的ドキュメンタリー。 保育園を作るまでの国とのごたごたや 出来てからの子どもと保母さんたちの姿を描く。2015/04/19
ker0
0
お祭りのバザーで見つけて衝動買いしたんですが、"当たり"でした。子どもって本当に面白い。2011/09/24
maera
0
こどもは詩人。2011/07/14