内容説明
職業作家になって以来、夢を見ずに眠ったことはない。せめて一度、夢から名作を、と思うのに、目覚めれば忘れてしまう口惜しさ。朝に呻吟、晩に懊悩、反吐をはくような苦しみの中で書いた作品も、ある。けれど、平凡な人間の地道な人生をじっくり描いてゆく、その楽しさ。破天荒な人物の生き方を、舌を巻きつつ辿る、その醍醐味…。創作活動の節目節目で、深く心に刻まれた記憶の数々。
目次
第九回太宰治賞受賞の言葉
直木賞のこと
『序の舞』連載を終えて
京ことば
私の小説ことばの原型―広辞苑
天璋院篤姫
歌舞伎の奥深さ痛感
最後の豆本
スポーツの秋
女の歳時記―作家が仕事場を変えるとき〔ほか〕