内容説明
順風満帆の人生よりも、逆境の人生こそ人間を豊かにするのではないか。―難病に打ち克ち、晩年も作歌に精進しつづけた斎藤茂吉。迫り来る死を前に生きる情熱を失わなかった中古兆民。浪人、闘病、投獄体験を経て大成した松永安左エ門。いかなる逆境にも挫けず、その中で自己鍛練を怠らなかった男たちの剛毅な生き方をたどり、現代ビジネスマンに勇気と指針を与える人物随想。
目次
老いて虚しく生きず
古稀の人
異質の友を招く
年輪思考への疑問
人生の緊張感
若きに学ぶ
人品について
1年有半
読書による自己形成〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつ
1
第九話読書による自己形成には、三つの話が紹介されていた。一つは、宝塚の大スター、高浪喜代子がスターになる前に、伸び悩んでいた時期があり、それを人に相談したところ、フロベエルの『ボヴァリー夫人』を繰り返し読むようにすすめられ、実行した彼女が知的に輝きを増した目を手に入れてスターになったというもの。ほかには、住友の広瀬宰平が鉱山で働きながら、四書の通俗的解説書である『経典余師』という本一冊をたゆまずに繰り返し読み、学歴のない彼が住友家最大のピンチを救ったというものである。本書には三十四の話が載っている。2018/02/20
ぱじゃま@抱き枕と一緒
1
「凄い人」が逆境を乗り越えられるのではなく、逆境を乗り越えられたら「凄い人」になるのでもなく、逆境と向き合うこととそれを乗り越える方法を自分の中に探して見つけられる人が「凄い人」になる素質があるだけで、あくまで選択肢は自分が選ぶものだ、と受け取った。2012/03/09
Masahiro Maruyama
0
パラ読2021/03/07