内容説明
今こそ新しい預言者があらわれる時だ―。ある時は銀行員、ある時はアステカの神官の子孫。神出鬼没、正体不明の“神の代理人”謎の預言者ムルカシを探せ!元カソリックの信者で後に娼婦となったマリ子と、聖書と『ガンジー自伝』を愛読する天才的平和主義者の日本人ワタルが、ムルカシを追って都市を彷徨い、聖地を巡礼する。永遠の悟りを求めた魂の遍歴を綴るアンチ宗教小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
30
☆☆☆ 第2章までは傑作の予感を感じながら読んでいたが、第3章以降、何を言いたいのか良くわからなくなった。特に「ムルカシ」の存在が意味不明。ただ、島田雅彦が一貫して書いてきた、「何物でもない存在」「ウィルス」「自国にいながらの亡命」と言ったテーマが感じられたのは、興味をそそられた。アンチ宗教という壮大なテーマだったので、じっくりと書いてほしかった。2020/03/24
はらぺこ
28
途中までオモロかったけど結局何やったんか分からんかった。2017/09/16
メタボン
23
☆☆☆ 以前読んだ本だと気づかずに再読していた。前の感想と同じ。もっと熟成させて、異国を旅する中での宗教というテーマを深めたら、傑作になたのではないか。2023/12/18
giant_nobita
9
宗教論的・人生論的なアフォリズムがどっさり入った連作短編集。ご丁寧にも、「恋をした時、失恋した時」、「死にたくなった時」などの状況に対応するパッセージを引ける索引もついている(小説なのに!)。形式面では、それぞれが数十ページほどの短編にもかかわらず、登場人物の生育過程に焦点を当てた、いわゆる《デーヴィッド・カパーフィールド》式の叙述によって、物語がまるであらすじのように平板に語られているため、楽しめなかった。2018/06/16
イズム(清瀬泉夢)
8
非常に難解な作品かもしれないです。物語自体は面白いのですが世界観が宗教にまつわることで感情移入が難しく、予備の知識や読解力がかなり必要だと思いました。まだ自分にはこれを読みこなせる力がなかったのかもしれません。非常に疲れる小説でした。2014/01/04