出版社内容情報
塩野 七生[シオノ ナナミ]
著・文・その他
内容説明
ガリアの諸部族の粘り強い抵抗に苦しみながらも、8年にわたる戦役を制し、ついにカエサルは悲願のガリア征服を成し遂げる。しかしその間、パルティアではローマ軍が敗北し、軍を率いていたクラッススが死亡。「三頭政治」の一角は崩れ、カエサル打倒を誓う「元老院派」はこの機に乗じてポンペイウスの取り込みを図る。新秩序樹立のためのカエサルの壮絶なる孤高の戦いが再びはじまる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
146
「賽は投げられた!」―紀元前49年1月12日のことだった。ユリウス・カエサルは、ついにルビコンを越えたのである。ここを越えることは、すなわちローマにとって国賊となることを誰よりも知りつつ。この場面では、塩野ローマ史の特質が遺憾なく発揮される。ただ1人、カエサルから離反してティレニア海側から密かに国境を越えたラビエヌスをここで描くことがそれだ。表面的にはけっしてそうではないのだが、実はカエサルにとってきわめて内的なドラマが、そこに静かに描かれるのである。まさに歴史家ではない、文筆家塩野七生の面目躍如である。2013/01/09
レアル
108
ガリア戦役の終結。始まったばっかりのガリア戦よりラストに近づくガリア戦の方が面白い。そしてカエサル自身がローマの敵になる!「賽は投げられた」ととうとうルビコンを越えてしまった!物語としては盛り上がってきたけど、カエサルのラストも近づいてきたのかと思うと、悲しい。。2013/11/01
ハイク
92
カエサルのガリア戦役の最終章とルビコン川を渡る所までを描いている。ヴェルチンジェトリックスの強力なリーダーシップでガリアをひとまとめにして、卓越した戦術でカエサルと戦った。途中まで優勢に進めていたが、やはりカエサル にはかなわなかった。これでもって7年間のガリヤはカエサルの勝利で終わった。三頭政治の一角のクラッススはオリエントで死亡した。ローマでは元老院がポンぺウスを取り込みカエサルを追い落とす画策を始めた。カエサルはついにルビコン川を渡りローマに向かった。ローマ人物語の見どころの一つである。 2018/08/22
ehirano1
87
そして留守番二頭は、ついにやらかした。2017/03/10
優希
85
8年にわたるガリア戦役でしたが、遂にその統一を果たしたカエサル。しかし、その一方ではパルティアでのローマ敗北、クラッススの死という暗雲が立ち込め、三頭政治は崩壊へと向かったようです。だからこそ、カエサル打倒の動きが出てきたように思えました。権力を自らのものにしたカエサルの運命は危機へと立たされ、一体どのような方向へ進むのか気になるところです。2018/04/30