内容説明
長き雌伏の時を経たカエサルが「陽の当たる道」を漸く歩みはじめた頃、ポンペイウスは既に地中海全域を覇権下に収めていた。カエサルもスペイン統治を成功させ、危機感を強めた「元老院派」は両者の排除を図ろうとする。しかしクラッススを加えた三者は「三頭政治」の密約を交わし、カエサルは41歳で執政官に就任。ついに国家大改造に着手し、さらなる野望実現のため、ガリアへと旅立つ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
152
40にして起ったカエサルは、ついにポンペイウス、クラッススと並んで三頭政治の一角を占めるまでになった。「農地法」の成立をめぐる市民集会の場面では、同僚執政官のビブルスを翻弄するなど、政治家カエサルの面目躍如たるものがある。後半は世の歴史家や文筆家たち、またローマ世界最高の弁論家キケロが、そして小林秀雄が絶賛したという『ガリア戦記』の前半が描かれる。今度は総司令官としての戦略家にして統治の天才でもあったカエサルの活躍である。同時にカエサルだけが見通すことができたローマ世界の全貌もしだいに明らかになってきた。2013/01/08
ehirano1
125
「その間ローマではー」の項がなかなか笑えました。二頭を含む留守番連中はホント、ロクな事しない!!!2017/03/10
ハイク
99
カエサルが40歳で三頭政治の一角となり、執政官就任後ガリア属州総督になったことだ。五年間のガリア地方(今のドイツやフランス)のカエサルの指揮の下のローマ軍とガリア人との戦いで、勝利を収めて行く様子を描いている。その期間、現在の英国即ちブリタニアに渡っての戦闘も記している。地中海沿岸とは違ってガリアは冬期間は寒く戦には困難であった事だ。そこでカエサルは冬期間にローマに戻り、仲間との接触を保つ等八面六臂の超人的な活躍であった。カエサルは歴史上で指折りの武将で戦略家であった。心技体と並外れていたのであろう。 2018/08/10
レアル
98
執政官への就任、クラッスス、ポンペイウスとの三頭政治からガリア戦役。前巻までの借金まみれのプレイボーイのカエサルはどこへいったのか?と思えるくらい手腕を発揮!カエサルが政治家として、軍事家としても類い希なる才能を持っていたという事だろう。。ラスト下巻に続く!2013/10/25
優希
86
長い間影にいたカエサルにようやく陽が当たった感があります。執政官へと就任し、国家大改革へと踏み出すことからも、その秘めていた力を存分に発揮し出したと言えるでしょう。そしてガリア遠征。世界史においては有名なこの出来事もかなりややこしい状況下で行われたことがわかります。常にその指導力を発揮したからこその安心感があるような気がしました。2018/04/30