新潮文庫
人事の日本史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101164434
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0121

内容説明

時代を変えるのが人であるならば、歴史を動かす原動力は「人事」だ。「抜擢」人事の嚆矢は聖徳太子で、源義経は「査定」の不公平に泣き、豊臣秀吉は「肩書」の力を天下掌握に大いに利用した。他に派閥、左遷、天下り等々、三人の歴史家が、人事の本質を歴史上の有名人や事件に求め、その悲喜劇を読み解く。現代に通じる人事の論理を考究し、人と組織のあり方を見つめるための一書。

目次

古代編(「抜擢」の本邦第一号―聖徳太子・厩戸皇子;「人事制度」の一大革新―服務規程1・冠位十二階、憲法十七条 ほか)
中世編(「負け組」ゆえの人気者―反乱者・平将門;「バランス」で到達した頂点の座―太政大臣・平清盛 ほか)
戦国編(「実力主義」を育てた乱世―悪人・朝倉孝景;「情」を反映した家訓の意義―梟雄・北条早雲 ほか)
近世編(「地位」を呼び込む謙譲の美徳―征夷大将軍・徳川家康;「トップ人事」は誰が決めるのか―傍流将軍・徳川綱吉 ほか)

著者等紹介

遠山美都男[トオヤマミツオ]
1957(昭和32)年生れ。日本古代史専攻。博士(史学)。学習院大学非常勤講師

関幸彦[セキユキヒコ]
1952(昭和27)年生れ。日本中世史専攻。日本大学文理学部教授

山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957(昭和32)年生れ。日本近世史専攻。文学博士。東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maito/まいと

13
出世するにしても、生き残るだけにしても、待遇を良くするにしても、通るセクション(要素)・人事。特に日本は人事が良くも悪くも重要で、有名な人物や英雄にしても世に出たのは、引き立てた人や組織があるから。そんな日本の人事をがっつり取り上げたのが本書。読んでみると、人事って過去も今も不公平で理不尽(笑)でもそこから名を成した人がいるあたり、選ぶ人の目って重要だと再認識。日本の致命的欠陥もこの人事という要素にあるのかも。まさに歴史を学んで今に活かす格好の題材です!2014/05/22

kayak-gohan

4
人事、すなわち制度的には採用、配置、異動、考課、給与、福利厚生があり、非制度的には天下り、派閥、左遷、パワハラなどがある。本書は日本史をそんな切り口から描いた作品。管理職になってから読んだが、本書から人材育成に即効薬はなく時間と力をかけて行うものであることを学んだ。学術的にも面白いが、現代の組織にも当てはまるところが多く、「あるある感」が高い。2010/11/01

四四三屋

2
人事というきわめて人間くさい事柄が、時に歴史を動かすという観点はなかなか興味深く読めました。近代以降についても書いて欲しかった、という気がします。2012/09/13

takao

1
なかなかの力作。特に大化の改新の記述は新たな切り口で参考になった。2011/07/07

ken7ito

1
人事制度改革は叫ばれるも、古代から変わらぬ文化を配慮しながらいかに徐々に変えていくかがカギ。”改革”だけ叫んでも結局何も成果が生まれないという結果になる。2010/09/30

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