出版社内容情報
心から一歩も出ないものごとはこの世界にはない……物語が疾走する村上文学の最高傑作!
青豆に言わなくてはならないことがいくつもあった。しかし今ここで天吾にできるのは、ただ名前を口にすることだけだ。青豆、と彼は呼びかけた。それから思い切って手を伸ばし、空気さなぎの中に横たわっている少女の手に触れた。……天吾と青豆、二つの月が浮かぶ1Q84年の世界で、二人はもう一度めぐり逢えるのか。深い森の中へ分け入るように、物語は続いて行く――。
内容説明
青豆に言わなくてはならないことがいくつもあった。しかし今ここで天吾にできるのは、ただ名前を口にすることだけだ。青豆、と彼は呼びかけた。それから思い切って手を伸ばし、空気さなぎの中に横たわっている少女の手に触れた。…天吾と青豆、空に二つの月が浮かぶ1Q84年の世界で、二人はもう一度めぐり逢えるのか。深い森の中へ分け入るように、物語は続いて行く―。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
374
文庫本の裏に書かれていたあら筋にすっかりだまされた気分。いったい青豆と天吾はいつ再会するのか。児童公園のあたりは韓国ドラマのすれ違いのようだった。次巻以降に期待。 2012/05/27
zero1
316
現実と小説の区別はどこに?作家の使命のひとつはそのハードルを限りなく低くすることかもしれない(後述)。青豆はリーダーと話しながら最後のミッション終了。隠れ家は何と高円寺!天吾は編集者の小松が行方不明に。その後、【オハライ】。昏睡状態の父に語り掛ける天吾。青豆は「空気さなぎ」を読む。二人の最接近!そしてもう一度、首都高の非常口に行く。天吾は二つの月を知る。同じ言葉が何度か繰り返されているが、これを【くどい】と思うか否かでこの作品への評価は大きく変わるはず。残り二冊、再読だが青豆のその後が気になる。2020/01/18
tokko
274
BOOK3が手元に届いたので、続きが読める安心感から、一気に読み切った。「リーダー」と青豆の接点、「リーダー」とふかえりの関係、ふかえりと天吾の関連。ついに青豆と天吾がすれ違う。1Q84年の世界では二人は再会できないのだろうか。フェイ・ダナウェイに雰囲気が似ている青豆、すごく続きが気になる終わり方です。早く5巻を読もう。2012/05/28
こーた
248
青豆とリーダー、天吾とふかえり、リトル・ピープルと『空気さなぎ』、ふたつの月。対と対が合わさり、天吾と青豆は接近し、この1Q84年の構造が徐々に明らかにされる。この小説に限らないが、物語の回収がはじまると途端に興味の失われることがある。あるいはこの物語に飽きてきて、そろそろまた休息が必要なだけなのかもしれない。物語、といえばここにきてちょっと類型的やしないか。こんなにありきたりでいいのか、それとも何か企みがあるのか。そもそもこれは回収なのか、もういくつか転換があるのか。やっぱり先を読みたい。BOOK3へ。2021/07/11
扉のこちら側
237
初読。ホラー小説のような恐怖感を覚えた前巻から一転、恋愛小説の趣。空気さなぎのストーリーが明らかになった。2012/09/17