日米開戦の真実―大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093897310
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0031

内容説明

ペリー来航以降、アメリカで継承された「太平洋制覇」戦略、モンロー主義の矛盾、執拗な満蒙への介入、在米邦人の排斥、そしてイギリス植民地政策の実態―緻密にして冷静な分析から導き出された「戦わねばならぬ理由」がそこにはあった。真珠湾攻撃直後、NHKラジオで放送され、ベストセラー書にもなった“開戦理由”を全文掲載!『国家の罠』著者・佐藤優が、戦時政府を代弁した「当時最高水準の知性」に挑む。

目次

第1部 米国東亜侵略史(大川周明)(ペリー来朝;シュワード政策 ほか)
第2部 「国民は騙されていた」という虚構(佐藤優)(アメリカ、ソ連双方が危険視した思想家;アメリカによる日本人洗脳工作 ほか)
第3部 英国東亜侵略史(大川周明)(「偉大にして好戦なる国民」;東印度会社 ほか)
第4部 21世紀日本への遺産(佐藤優)(歴史は繰り返す;大東亜共栄圏と東アジア共同体 ほか)

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。85年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。95年まで英国日本国大使館、ソビエト連邦(現ロシア連邦)日本国大使館に勤務。95年より国際情報局分析第一課に勤務。2002年5月に逮捕、現在、起訴休職中。外交官として勤務する傍ら、モスクワ国立大学哲学部客員講師(神学・宗教哲学)、東京大学教養学部非常勤講師(ユーラシア地域変動論)を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

54
当時の情勢を的確に捉えていたことは凄い。困難な時代の中で立ち位置を俯瞰することがいかに難しいのかがわかる。ただ時代を変えられるかはわからない。今を知る努力をかさねること、そして歴史は繰り返す。そのことを忘れずに、歴史を学んでいきたいと再認識しました。いざという時の胆力を培う方法はあるものなのか。2019/11/04

kawa

30
日米開戦について、フーバー元大統領の「裏切られた自由」の記述が興味深く、のこちら。「65年前、我々の祖先は、アメリカから追い込まれ、やむを得ぬ事情で戦争に突入し、敗れた。(中略)決して負け戦をしてはならないということだ。その観点から、冷戦後の超大国であるアメリカと全面対峙する路線を選択するなどというのは論外だ。」と佐藤氏。ほぼフーバーの見立てと一致することを確認。ただし本書の目的は、知の巨人と佐藤氏がリスペクトする大川周明氏の思想を通じて、現下の日本の改革はいかにすべきかに重きがあるようだ。(コメントへ)2020/10/14

河織吾郷

24
第二部まで読み終える。大川周明の思考を丁寧に追った。彼の描く日米開戦への悲劇は嘉永六年からの運命だった。読む前に淹れたコーヒーはもうすっかりと冷めてしまった。疲れ果てた頭を休息させるために、煙草を咥えて庭に出ると秋雨が静かに降り頻っている。大川のこのラジオ講演は、嵐の前の静けさである本日に似た、つまり総力戦への序曲として放送されている。佐藤優が暴くアメリカによる日本人洗脳工作と国民は政府・軍閥に騙されていたという神話。そうだ、奇しくも六十四年前の今日は我が国がサンフランシスコにて平和条約を調印した日だ。2015/09/08

Tomoichi

21
GW課題図書。小学生の頃に映画館で見た「東京裁判」で見たあの大川周明。発狂とその後の快復、それがどうして納得いかず避けて来た大川周明の著作を佐藤優の解説で読む。「米英東亜侵略史」はもちろん佐藤優の解説もよく改めて大川周明に興味を持ちました。またチャレンジしたい人が増えそうです。2018/05/09

Honey

12
このところの佐藤さん続きで。 才能豊かな佐藤氏のビジネスワーク?ともいえそうな大量な著作が多い中で、これって、かなり本気度高? 大川周明という名は、確かに数年前から書店でもよく見かけるようになった気がしていましたが、このような思想、経緯が…と、大変感動を覚えました。 さらに、佐藤氏の分析も大変秀逸! 素直に賞賛を送りたいです。 タイトルから、もしかしたら、ほんの短い時期の話かと思われるかもしれませんが、もっと幅広い、東西近代文明史概略としても面白いです。 多くの人にお勧めしたいです。2019/05/10

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